暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
時宮遭遇
Trick47_早く!! 美雪お姉様!! 逃げて!!!
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た。だから何時も無意識に、
 自分が生きていていいのか考えて、それが他人を
 思いやる気持ちと同時に捨て身の行動に繋がっている。

 昔から優しかったけど、自分が大怪我してでも
 助けようなんてしなかったはずなのに・・・」

飛行機事故により、助かったのが自分ひとりだけ。

これは≪サイバーズ・ギルド≫と呼ばれる心理状況だ。

戦争や災害、事故、事件、虐待などに遭いながら奇跡の生還を遂げた人が周りの人々が亡くなったのに自分が助かったことに対して感じる罪悪感。

信乃の勇気あると思える行動は、この罪悪感による重圧(プレッシャー)から引き起こされていた。

「ありがとう、白井さん。話したら随分楽になった」

「申し訳ありませんの。本当に話を聞くしかできず・・」

「謝らないで。本当に純粋に感謝しているから」

「・・・・わかりましたの」

自分が落ち込んでは美雪を余計に落ち込ませてしまう。
納得はしていないが、白井は美雪へと笑い返した。




「ちょっとすみません。あなた、風紀委員ですよね?

 道を聞きたいんだが」

美雪と白井か話していると声を掛けてきた男がいた。

「あ、はい。どうかなさいましたの? っ!?」

「ッ!?」

いつも通り風紀委員として困っている人を助ける、当たり前の気持ちで振り返った。

当たり前のことだった為、当然心構えもしていなかった。

だから振り向いた白井、美雪の2人は驚きのあまり息を飲むしかなかった。


顔の造りはこれといって特徴はない。

驚いたのは男があまりにも表情がなかったからだ。
無表情と呼ぶにしても何かが足りなさすぎる。
何が足りないかは分からないが、足りないものが人間として必要なものだと理屈抜きで解ってしまった。

「み、道ですか?どちらに行きたいのですの?」

長点上機学園(ながてんじょうきがくえん)

「「っ!?」」

男の目的地は美雪の学校だった

得体の知れない男が自分の関係ある場所に行く。
たったそれだけのことで、2人を体験したことのない悪寒が襲った。

「そそそれでしたらこの道をまっすぐ、
 そして突き当たりを右に曲がられたら・・・」

理性を総動員して答えたが男は聞いていなかった。

「・・・・」

ずっと美雪を見ていた。

ギッ

見つめられた美雪は我慢するように強く歯を噛みしめる。

「あの!? 聞いていますの!?」

美雪を庇うように男との間に白井は割って入った。

「うー、聞いていた。真っ直ぐ行って右だろ?」

「ええ。それで学校が見えますの」

「わかった。・・う〜? 電話か」

男は白井にお礼も言わずに携帯電話に出た
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