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どっかの分隊長
ガタガタと俺達は荷台で運ばれる。
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ているのか…?もう限界がきて、今にも崩れそうなぺトラ。その表情からは、なまじ強い精神のために何でもすがってしまいそうな危うさがある。

……もし、俺が死ぬために闘えといったら、彼女は本当に死ぬのだろうか……。

………………。

「………考えろ。」
「……はい。」

絶望したような表情で、彼女はうずくまった。そして、また泣き出す。申し訳ない気分になるが、俺は彼女に正しい道を示す自信も器も無い。俺が何も言わずとも、ぺトラは強いからきっと正しい答えを見つけられるだろう。考えろ、なんて自分を棚に上げすぎだと理解しているが、それでもどうしても言っておきたかった。彼女なら出来ると思うから。だから、これで良かったのだ。あぁ、そうだ。


「俺達は、今回も何の成果もえられませんでしたーーーーーーーー!!!!」

そんな遠くで聞こえた声と隣からの枯れた泣き声をぼんやり聞きながら、俺はこれからの予定と書類整理の事を考える。分隊長になると書かねばならない書類も多いのだ。特に壁外調査の後は口から魂がぬけそうになるほどに。あー、あー、あー、めんどくさい。誰かやってくれないかなー。…いや、やっぱ冗談。それくらいしか役に立たないんだから頑張らなければならない。本当に忙しい、忙しい。…それにしてもやっぱり今回も書類ミスして、討伐数がやばいことになってるのだろうな。あれは絶対おかしいよ本当。やっぱり、今度正式に申し出ようかな。でも、やっぱエルヴィン団長に格好いいこと言われておしまいだろう。いやーあれは本当に格好良かった。むしろあれを聞きに行くために言いに行くってのもありかもしれない。まぁめんどくさいのでしないが。あ、そうだ。そういや――――――

―――――――ツゥ…。

「!?」

頬に何かが流れた……気がした。


「……ぇ。」


焦って、急いで袖でぬぐう。
しかしまったく袖は塗れなかったので、やはり気のせいだったのか。

一応念のために、もう一回頬をぬぐってみた。

……あぁ、塗れてない。気のせいだ。気のせいだった。うん。


ガタガタガタガタ………。


周りの喧騒と泣き声が混ざり合った悲しい昼、俺達は荷台で揺られ続けた。

ガタガタガタガタガタガタ……。


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