暁 〜小説投稿サイト〜
どっかの分隊長
ガタガタと俺達は荷台で運ばれる。
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
のが億劫なだけで。
勿論そんな答えでは、彼女は納得しない。ほら、表情は曇ったまま。

「じゃあ、何で、私達は…。」
「?」
「何で、何で、何で……!!!私達は………!!!ぁぁ…ぁ………………!!!!!」

彼女はそれから言葉が続かないらしく、狂ったように泣き始めた。何かを言ってやりたいが、言える事が何も無い。言うべき言葉が見当たらない、といったところか。

「……………。」

それにしても、何で私達は、、、か。
その後に、彼女は何を言うつもりだったのだろう。

何故闘っているのか、か。何故殺されるのか、か。それともまた、別の何かか。なんにせよ、それらを疑問に思えば戦場では生きていけない。少なくとも俺はそうして、流されてきた。その末生きているのだから、完全に間違いと言う訳でも無いだろう。


『隊長は……なんで闘って居るんですか…。人類のためじゃないんですか…。
じゃあ、何で彼を…私の大切な彼を見捨てたんですか…!?』

ふと、昔、誰かに言われた言葉が頭をよぎった。あの時、俺は何て答えたか………
………いや、やめよう。精神衛生上この記憶は不味い。無理やり記憶の深層に押しとどめる。

そして泣き続けるぺトラを見て、ここを離れるべきかどうか迷いながら、一緒にいることにした。

「…………ふぅ。」

隣に腰をかけた俺だが、彼女の方をずっと向いている訳にもいかない。目の前にあった、小汚い布にくるまれた仲間の死体を見つめる。
……俺がこれを見ても何も感じなくなったのは、いつからだったか。
アイツが言ってた事もあながち間違ってないのかもしれないなと、自分の乾いた心に苦く笑う。

「ぁ、すみません……!!私……。隊長、引き止めたままで……。」

ぺトラが、自分が言葉を止めてしまっいたことに気づいたらしく、慌てて謝ってきた。考え事に没頭していた俺は、慌てて「構わん。」と、だけ言って笑っておく。……うまく笑えただろうか。少々、心配である。

「隊長。」

彼女は震えた…しかし芯のある声で、俺を呼ぶ。

「なんだ。」
「何で私達は……闘っているんですか。何で私達が死ななきゃいけないんですか…。」

あぁ、さっきの話か。

「人類の為……と、言えば話は早いが、実際はどうだろうな。」
「違うんですか…?」
「違うと思えば違うし、そう思えばそうなる。…ぺトラ……お前は何のために闘って居るんだ?」
「私…ですか?」
「あぁ。」

少し驚いた後、彼女はポツリと話し始める。

「最初は、調査兵団に憧れて入りました…。けれど、今は……。」

少し間をあけて、ぼそりと呟く。

「……分かりません。」
「……。」
「隊長……私は何のために闘って居るんですか?仮に彼等のために闘っている
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ