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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
七十四話:レヌール城にハイキング
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 魔物は出ないので、スラリンも一緒に城に入ります。

「城の中はさすがに埃っぽいと思うから、空中庭園でお昼食べようよ。お墓はあるけど眺めがいいし、変わってなければ花畑もあるし」
「そうだな。じゃあ、裏から登るか」
「うん」


 城の裏に回り、梯子を前にして、思い出したことが。

 ……そう言えば、対策をしてない。
 迂闊だった。
 男装だったら、ズボン状態で何も問題無かったのに。

 まあ、ヘンリーに先に行ってもらえばいいだけか。

 と、思ってヘンリーを見ると。

「……」
「……」

 動かない。

「……先。行ってよ」
「……ちっ」
「舌打ちしない!」

 そんな態度取って、実際に見たらどうせ真っ赤になるくせに!
 なんだ、先刻のイケメンモードが悪い風に作用でもしたのか!
 逆に、大丈夫な感じになってしまったのか!

 ……よし!なら、試しに

「……もう……ばか」

 頬を少し染めつつ、俯きがちに言ってみます。

「なっ……!き、急に、なんだよ」

 途端に赤くなり、(ども)り出すヘンリー。
 うん、こういう感じ。

「……先。行って?」

 さらにそこから上目遣いで、言ってみます。

「……!!……わかった……」

 瞠目した後に慌てて目を逸らし、猛烈な勢いで梯子を登り出すヘンリー。
 よし、よし。

「さて、スラリン。私たちは、ゆっくり行こうねー?梯子、登れる?」
『だいじょぶ!のぼる!』
「じゃあ、先に行ってくれる?」
『さき、いく!』

 素直で良い子のスラリンは、すぐに梯子を登り始めます。
 体を伸ばしてふたつ上の踏み桟をくわえ、縮めてひとつ上の踏み桟に体を持ち上げ。
 尺取り虫のような動きで、器用に登っていきます。

 全く危なげないのを確認して私も登り始め、間も無く屋上にたどり着くと。


 ヘンリーがとてもポピュラーなAAのような状態で、床に膝と手を突いて、顔をがっくりと落としてました。

「ヘンリー?どうしたの?早く行こうよ」

 私の呼びかけに、ヘンリーがノロノロと顔を上げます。

「……どうしたって…………お前な…………」

 なんだか恨めしげですが、そんなことよりも。

「お腹すいちゃった。先、行ってるね。スラリン、行こう!」
「ピキー!」

 がっくり状態から立ち直れないヘンリーをその場に放置し、荷物を奪って先に進みます。

 うん、これは自業自得と言っていいと思うんだ。
 セクハラ的行動に対する、制裁的な。
 効果のほどを見るにたぶん可愛かったんだろうし、そう悪いことばかりでも無いだろう!
 目の保養的な意味で!


 とは言え先に食べるというのも人とし
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