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俺がDIO?
喪失編
一話
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目が覚めた。と言っても、寝ていたかと聞かれれば、分からないと答えてしまうだろう。
俺は眠気を全く感じていなかった。
だが、今目を覚ましたのは、事実俺がこの場所に居ることからして事実だろうと確信していた。

仰向けで寝ている俺の顔を海特有の塩くさい風が頬を撫でる。
理解できない、なぜ自分がここにいるのか?
あくまで冷静に脳内の記憶を辿るが、何も思い出せない。

唯一思い出せたのは、ジョジョの奇妙な冒険というアニメのDIOという人物についての知識だけだった。
それ以外は俺には情報がなかった、つまり自分が誰で、何処にいたのかも思い出せなかった。
俺は何度も記憶を探して、無駄だと悟ると起き上がった。

「とりあえず歩こう」

軽く砂を落とし、浜辺を歩く。
ザッザッ、と靴に砂の感触が伝わる。
浜辺とは逆の方には奥が見えない森が広がっている。

最初は浜辺周辺をぐるっと一周した。
それで分かったこと、恐らくここはどこかの無人島だ。
理由としてはこの周辺が海に囲まれている事、船があるような形跡がなく、桟橋などもない事、森の中は確かめていないが、気配が感じられない事、以上の点を踏まえ、結論した。

これは現在の結論であって、森を探索すれば、変わる可能性がある。
気配が感じられないというのも、五感?みたいなものがそう感じるだけに過ぎない。
引き続き森を探索する事にした。

「思ったより広そうだが......食べ物の心配はそれほどしなくても良さそうだ」

森に入ると少なからず動物の声が聞こえた。
食事に関してはこれらの動物を狩るか、あるいは果物を採れば済みそうだ。
だが、依然として人の気配はない。

「いない.....」

森の奥まで来て、やはり人がいない事を再確認した。
別段落ち込んでもいない、最初に結論付けた事もあるが、自分の感情に何の変化も無いことから分かった。
ただ1つ見当違いだったのは、人の手で作られたであろう建造物を見つけた事だ。

見た目は石で作られた小屋。
苔が生えている所を見る限り、これが出来て、それなりの年月が経過している事が素人目でも分かる。
俺は躊躇せず、無造作に扉を押して、中に入った。

中は暗く、カビ臭かった。
だが、なぜか夜目が効くので特に不自由する事なく、ランプを見つけ、横のネジのようなものを巻き、明かりを灯した。
部屋に少しずつ暖かい光が広がった。

中は簡素な物しか無かった。
シングルベッド、机、いくつか獣の毛皮に、分厚い本数冊が飾られているだけだ。
かなり汚れてはいるが、まだベッドも机は使えそうだ。
何にせよ、この島でここほどの寝床はないだろうと俺は判断し、ここを拠点に生活する事を決めた。



それから、1週間。
俺は近場に見つけた
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