”超電磁砲”
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”が使えなくなることを分かっていながら、好奇心に負けて追いかけたのだから。
・・・だけど、俺は元々気がつかれないように、慎重に尾行していたのだ。ウニ頭が、一体何故五十人以上ものスキルアウトに追いかけられているのか分からない上に、能力が使えない状況では、俺に手助け出来ることなんて存在しないのだから。能力が使えない俺など、そこらの一般人にすら負けるくらい弱いのだ。
・・・だが!
よりにもよってこのウニ頭!!逃げている最中に、道のゴミ箱に引っかかって転がり、俺とぶつかったのだ!!!・・・いや、信じられないだろ!?ゴミ箱にぶつかって、普通に転ぶんじゃなく、何故か180度方向転換して転がってきて、隠れている俺に衝突しやがったんだぜ!?どんな確率だよ!?
しかも、それを見たスキルアウトの連中は、俺をこのウニ頭の仲間だと勘違いしたらしく、俺にも攻撃を仕掛けてきたのだ。ウニ頭が近くに居るせいで能力も上手く使えないし、絶体絶命のピンチだった。またもや偶然、栞菜が近くを通りかからなかったら、大変な事になっていただろう。
だからこそ、(俺が怪我をした元凶は)このウニ頭だ!!!
「へぇ・・・そう。お前がコイツを巻き込んだのか・・・?」
スゥっと栞菜の目が細まる。これは、栞菜が結構本気でキレている時の表情だ。
「ちょ、ちょっと!?何で上条さんが加害者みたいな扱いになってるんでせうか!?確かに、ソイツにぶつかったのは悪かったけど、ソイツは俺のことを尾行していたんだろ!?俺のことばっかり責めるのはどうかと思うのですが!?」
それを見たウニ頭―――どうやら上条というらしいが―――が、必死に弁明する。上条の言うことは最もなので、俺も弁護した。
「俺がソイツを尾行していたのは事実だ。確かに、この戦闘に巻き込まれたのは自業自得と言っていい。・・・ただ、俺が怪我をした元凶は、間違いなくコイツなんだがな。」
「それは弁護か!?火に油を注いだだけな気がしますよ!?」
五月蝿い上条を無視して、俺は説明を続けた。
「よく聞け栞菜。・・・コイツには、”論理回路”が効かない。」
「・・・・・・・・・は?」
たっぷり十秒以上の間を開けて、やっと出た答えがこれだ。いつも快活で、エネルギーに満ちあふれた彼女が、ここまで混乱するところなんて滅多に見られない。
コイツも、分かっているのだ。俺の能力が効かないと言うことが、どういう意味を持つのかを。超能力者の干渉を跳ね除けるというのが、一体どういうことなのかを。だからこそ、目の前にいるこの男を凝視するのだ。俺の力を知っているから。俺たちというのが、どれだけ理不尽な存在なのかを知っているからこそ、こ
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