暁 〜小説投稿サイト〜
レンズ越しのセイレーン
Mission
Mission10 ヘカトンベ
(2) マクスバード/リーゼ港 A
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打ち合う。金属音が人のいない海停にこだました。

(イケる! このペースなら変身しなくても押せ)

「しぶといな、人間は」

 クロノスの背後に、1から12までの数字を刻んだビットが環状に現れた。
 今まで見たことがない攻撃。とっさにルドガーは大きくバックステップして仲間の輪まで戻った。

「全く醜悪極まる!」

 12個のビットが射出された。ただの飛び道具を、今日まで死線を潜り抜けてきた自分たちが躱せない道理はない。
 ルドガーはもちろん、ガイアスやミュゼ、ミラたちもそれぞれの得物でビットを弾いた。

「これは…! ダメよ、散らばって!」

 その中で一人、ミュゼがビットから何かを感じ取ってか、顔色を変えた。

 しかし遅かった。二度目のビット射出がエルとルルを狙ったこともあり、後衛メンバーは全員が彼女らのほうへ駆けつけてしまった。そして、弾ききれなかったビットがドーム状に展開し――

「結界術!?」
「厄介な技を使う――!」

 ミラが、ミュゼが、ガイアスが睨もうが、クロノスはどこ吹く風だ。これでこちら側の戦力はこの3人と自分のみ。

(充分過ぎる。さっき打ち合って分かった。俺もみんなも確実に成長してる。3人もいてくれれば、骸殻を使うまでもない!)

 たとえ勝っても自身が因子化しては意味がない。ルドガーはエルを連れて行くと約束したのだ。

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