第8話:子供だけど子供騙しに騙されない
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るとは思えない。で、食材は人間……それも子供だろうと考えたんだ」
そこまで言うと一旦間を置き、大きく開いた落とし穴を見る。
「だ、だが……それと落とし穴と何の関係がある!?」
「オジサン馬鹿だろ! あの大皿の位置は、オジサンが座ってる玉座の前の真上なんだよ! オバケ達に怯えていても、僕は周囲の状況をちゃんと見ているんだ! オジサンが今にも押したくて手すりのスイッチを撫でてたのも、ちゃんと見てたんだよ!」
一応言っておくがハッタリだよ。
こんな暗闇の中じゃ、地下の大皿との位置関係を測るなんて出来ないし、恐怖でそこまで気が回らない。
でも出来る男っぽくて格好良かっただろ、今の俺って……
「くっ……」
ムンクが悔しそうにスイッチを押そうとしてた自分の指を睨んでる。
どうやらハッタリ効果絶大だ(笑)
「僕はオジサンと違って臆病なんだ。オバケは恐いし、地下に居たガイコツも恐い。今だってオジサンの事が恐くて仕方ない。でもね……馬鹿ではないんだよ。オジサンと違ってね!」
イェ〜イ……言ってやったぜ! 戦えない俺に出来る最大の攻撃、それは皮肉だ!
「こ、このガキぃ!(ツルッ!)あ、あぁぁぁぁ………(ぐちゃ!)」
俺の皮肉が効果的だったらしく、激怒のあまり勢いよく立ち上がったムンク……
だが目の前が落とし穴だと言う事を忘れてたらしい。
立ち上がったのと同じくらいの勢いで落ちて行く。
そして最後に鈍い音……
穴の底は暗くてよく見えないが、ガイコツ達の声が聞こえてくる。
「お、おい! 親分が落ちてきたぞ!」
「何だって!?」
「親分、大丈夫ですか!?」
「おい、返事しねーぞ……」
「ま、まさか……」
「親分がやられた! 逃げろー!!」
確かコイツ等は魔界でもはみ出し者だったと思う。
はみ出し者と言っても、弱いから仲間に入れて貰えず、弱い者同士で連み更なる弱い者を苛める馬鹿連中だ。
そんな連中でも親分と呼ばれる奴は、その中では一番強いのだろう。
その一番強い奴が殺られたとなれば、手下共は恐くて逃げ出すしかないだろう。
元々人望があった訳でもないのだろうし、復讐心に燃えて襲ってくる奴は居ないはずだ。
居たら困るなぁ……
気が付くと目の前に信長と貞子が現れていた。
貞子の存在感にガチ泣きそうになったが、グッと堪えて奴等の反応を窺う。
すると……
「よくぞ目障りな連中を追い出してくれた、礼を言うぞ!」
信長が偉そうな態度で礼を言ってくる……これって礼か?
「これで……静かに……寝れる……」
貞子の方は小さい声で喜びを表してる……でも怖い。
確か
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