第二十五章
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仕方に静かに頷く速水だった。
「海士長平麻享一です」
「平麻士長ですね」
「はい、ある護衛艦の乗組員でしたが」
「どうした方でしたか?」
「お世辞にも評判のいい人物ではありませんでした」
顔を曇らせての言葉であった。これだけは横須賀や呉と同じであった。
「身内の恥を言ってしまいますが」
「いえ、それは」
いいと返す速水であった。そのことは聞かなかったことにして外では決して言わないという意思表示もここでしてみせたのである。
「そうしてくれますか」
「はい」
この辺りはこれだけで終わらせるのであった。言わずとも、であった。
「始終後輩を虐待していまして。非常に評判が悪かったのです」
「虐待ですか」
「暴力を恒常的に振るっていました」
伊藤は話すうちにその表情をさらに曇らせていた。流れまで同じであった。
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