第17話 「捕虜交換」
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
イゼルローンから、あえて自由惑星同盟と呼ぶが、そちらと帝国側に向けて、全回線を使い。通信を送るようにさせろ」
「イゼルローンからですか?」
「そうだ。内容はこうだ」
――帝国宰相ルードヴィヒ・フォン・ゴールデンバウムの名において、捕虜交換を申し出る。交渉のテーブルにつく気があれば、イゼルローンに向けて返答されたし。
なお、フェザーンを通じての返答は無用。そちらの弁務官は女をあてがわれ、懐柔されている模様。そのような者とは話にならぬ。
もしフェザーンを通じて話をしたくば、弁務官の首を替えよ。以上。
帝国宰相、皇太子ルードヴィヒ・フォン・ゴールデンバウム。
「うわ〜」
「おいおい、そんなに引くような内容か? 当然の事だと思うが」
「向こうが替えますか?」
リッテンハイム候が心配そうに言った。
思わず、うわ〜っと声を出してしまいましたが、わたくしも侯爵と同じ事を思います。
「さぁ〜どうかな? だがな捕虜交換の交渉がうまく行かないのは、お前らのせいだと言い張れるぞ」
「ああ、だから辺境側にも回線を開くのですな」
「しかも理由をそちらの弁務官が懐柔されているからだ。と言い張れますね」
「まあ替えたら替えたで、気に入らない奴が来たら、次も替えろと言えるようになる。向こうの人事権に口を挟んでやるぜ」
それが目的ですか?
捕虜交換のついでに、叛徒たちの人事権に介入しようなんて……。
向こう側も皇太子殿下の目的に気づくでしょうね。だからこそ、替えたくても替えられない。
そしてこちらは無能者が相手なら、どうにでも出来る。
「だとするとイゼルローンを通じての交渉になりますな」
「それでいい。事務的に終わらせてやろう。そん時は、フェザーンの政治的な地位はガクッと下がるがな。フェザーンは帝国の領土であり、自治権を与えられているに過ぎぬ。与えたものなら、取り上げる事も可能だ」
「建前上は確かにその通りですが、フェザーンが反発したら?」
「討伐する。売られたケンカは買ってやろう。占領してやるぜ」
え、えぐい。さすが皇太子殿下、やり口がえぐい。
でも皇太子殿下らしいやり口です。いがいとひどい男なのですよ。
そのせいでいつもわたくしたち女は、泣かされてばかりです。
「そうだ。そうだー」
ほらごらんなさい。
アンネローゼですら、そう言っているではありませんか?
「お渡りがないのは、どういうことだー。待ってる方の身にもなれー」
ああ、残念ながらお渡りがないのは、当然でしょう。
なぜなら、そう、なぜならば。わたくしの下へと来てくださるからです。
そうでございましょう?
ねえ、皇太子殿下?
「混ぜるな。危険というやつだな」
なにやら皇太子
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ