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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
七十二話:お風呂で一人反省会
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これ」
「……いいんじゃないか?もう、戻っても」
「……そうだね」

 私、飲めないし。
 素面(しらふ)でこれに混ざるのは、正直キツい。

「ヘンリーは」
「戻るよ、俺も」
「スラリンは」
「後で回収しとく」
「……お願いします」
「おう」

 私が、やるべきなのかもしれないが。
 酔いつぶれた集団に女の身で踏み込むと、また余計な面倒が起こりそうな気が。


 そんなわけで、奮い立たせてた気持ちが一気に萎えて、そのまま惰性でヘンリーに引っ張られて部屋に戻り。

「風呂、沸いてるってよ。入るだろ?先、入れよ」

 オラクルベリーの大きな宿と違って、お風呂はひとつしか無くて、性別関係無く順番に入る形なんですけれども。
 だからなぜ、私でなくヘンリーに言う。

 ……仕方ないか、さっきまでの状況では。

「うん。じゃあ、上がったら声かけるね」
「いや。待ってる。外で」
「……大丈夫だよ。この村に限って」
「いや。落ち着かないから。俺が」

 過保護だなあ。
 こういうとこ、パパンを思い出すわー。
 パパンと違って、本当にやりたいことは普通にやらせてくれるから、いいけど。


 ということで、小さな宿の、部屋からお風呂までの短い距離すらヘンリーに付き添われ、お風呂に入ります。

 体を洗い、それなりの広さの湯舟に浸かり、まずは手足を伸ばして。

「……はあーー……」

 溜め息と共に、膝を抱えます。

 辛い。重い。へこむ。

 もしかしたら勘違いでも、本気で好意を伝えてくれた相手を振るのって、辛い!へこむ!!

 馬鹿じゃないの?
 逆ハーとか、馬鹿じゃないの!?
 無理。完全に、無理!
 本命でも無い男をコロコロと掌で転がすとか、私には、無理!!

 やっぱりアレだわ、イケメンもいい人も、普通に好きだけど!
 本気で入れ込まれてしまう可能性が非常に高い以上、私のハーレムメンバーは、女性限定で!
 男は、いいよ!
 一人で、いいよ!!

 でも、その一人を探す段階で、やっぱりこんなことはあるわけで。

 ていうか、完全に選ぶ立場みたいなこと考えてるけどさ。
 普通に考えて私、条件悪くない?
 結婚相手として。
 いくら、美女でも。

 当面、旅を続けるつもりなんだからさ?
 例えば私に惚れて結婚したいと思ってくれる相手でも、大体においてそれは、私が旅をやめる前提なわけで。
 今日の、アランさんのように。

 お互いの利害が一致しないから無理なだけなのに、それでもあくまで私が断る形になるわけで。
 相手にすれば私に惚れてるわけだから、旅をやめてくれ!ってなるけど、私からすれば別に惚れてないわけだから、私を好きなら一緒に来て!
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