第一章 [ 胎 動 ]
十一話 崩壊の足音…
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劉禅さんはそう言って僕達に頭を下げる。
「劉禅様、先ほども言った様にそれが我々の成すべき事です。頭など下げないでください」
「本当にすまんな」
「劉禅さんそんなに気にしないでください。お礼ならお菓子で」
「「 いい加減にしろ!! 」」
部屋に二人の怒声が轟いた。
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「実は君達に言っておかねばならない事がある」
劉禅さんが少し困った様な顔でそう言い出す。
「なんでしょうか?」
「これから言う事は他の者には内密に頼む。杞憂かも知れんのでな」
「解りました」
「実はな……」
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穏やかに日々は過ぎて言った。シャトルは順調に帝都の民を月へと送り続けている。事の元凶にして最大の脅威が居なくなった事で人々には余裕が戻っていた。このまま何事も無く計画は完了すると思われた。
最初は小さな変化だった。その後もほんの少しずつの変化だった。
帝都に対しての妖怪の襲撃。今までも散発的には在ったが数えるほどだった。日が進むにつれ少しずつ襲撃は増えていった。それでも紅髪に比べれば大した事の無い脅威。
だが計画完了まであと3日まで迫った時、予想外の事態が帝都を襲う。大量の妖怪による襲撃。組織的なのか本能的なのかどうかは解らないが徒党を組むようにして帝都に襲い掛かって来た。
それにより守備隊と守護団の混成部隊は未だかつて無い大規模な防衛戦を強いられる事となった。戦線は徐々に妖怪に押され帝都を守る外壁近くにまで迫った。もはや背水の陣の如き戦いは昼夜問わず続き遂に計画最終日を迎えた。
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一閃。目の前の妖怪が塵になって消えていく。もう何匹目かも憶えていない。倒しても倒してもキリが無い。一体どれ位の妖怪がここに集まって来ているのか?考えても仕方ないか。
後1時間程で最後のシャトルが出せるらしい。本当にあと少しなんだ。なんとしても守り抜く。3日間の防衛戦で隊員の体力的、精神的疲労は限界に近かった。
特に実戦経験が無い守護団の隊員達の消耗は目に見えて濃い。僕達を支えているのは本当に“あと少し”という希望だけだ。
「うわあああああ!」
誰かの悲鳴で振り返ると隊員の一人が百足の様な妖怪に襲われていた。咄嗟に僕は百足妖怪に霊弾を放つ。霊弾は百足妖怪の頭に直撃しその隙に襲われていた隊員は援護に来た他の隊員が助け出す。
「今だ!撃て!」
この部隊の分隊長の号令で百足妖怪に一斉射撃が放たれ、無数の銃弾を受け塵
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