第一章 [ 胎 動 ]
十一話 崩壊の足音…
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なくなったら死ぬな。間違いなく。
『守護団 総団長まさかの過労死!犯人はあいつだ!<錦月 庵>』帝都最後のビッグニュースになるな。
「まぁ冗談だが」
(( 本当かなー? ))
僕達がそんな疑問を浮かべていると扉をノックする音が聞こえた。
「ん〜どこのどいつだ?」
庵さんがそんな風に声を掛ける。そして部屋に入ってきたのは予想外の人物だった。
「失礼するよ」
「「 !?!?劉禅様!?!?! 」」
庵さんと紅は劉禅さんの姿を見た瞬間にベットから飛び起き敬礼する。
「あ、おはようございます。劉禅さん」
僕はそのままの状態で普通に挨拶をする。それを見て二人が、
「「 ちょっ!おまっ!何普通にしてんだ! 」」
「いや、構わんよ。それに君達もベットに戻りなさい。怪我人なのだから」
「いえ、しかし…」
劉禅さんの言葉に多少抵抗があった二人だが渋々ベットに腰掛ける。
「突然すまんな。あまり時間が取れずに急な訪問になってしまった」
「そんな事はありません。しかし劉禅様自らどうなさいました?」
庵さんがそんな疑問を口にする。劉禅さん自身かなり忙しい身のはずだ意味も無くここに来る筈も無い。
「今回の戦いの功労者達に一言でも礼が言いたくてな」
「そんな礼だなんてとんでもないです!」
「そうです、我々はただ己の職務を全うしただけです。礼を頂くような事はしておりません!」
「そうですよ。お礼ならお菓子のほうがいいです」
「「 お前何言ってんの!?空気読めよ!? 」」
何故か二人に怒られた。
「ははは!そうだな、確かに見舞いに菓子を持ってくるべきだった」
「申し訳ありません劉禅様!この馬鹿の言った事は無視してください!」
「馬鹿って非道いな」
「「 黙れ!! 」」
「まぁまぁ、私は気にしていなよ。それより傷の方は大丈夫かね?」
「はい、大丈夫ですよ。もしかしたら輝夜が貸してくれたお守りのおかげかもですね?」
「輝夜のお守り?」
「これです。後で絶対返せって脅されてるんです」
そう言って劉禅さんに輝夜から預かったペンダントを手渡す。
「…なるほど」
劉禅さんは一言呟き僕にペンダントを返すと、
「無事に月に着いたら返してやってくれ。それは妻の形見であの子が肌身離さず持ち歩いていた物なんだ」
輝夜にとってかなり大事な物だったのか。無くしたりしたら大目玉だな。
「分かりました」
僕の返事に小さく頷くと劉禅さんが庵さんに、
「錦月君。移住完了までもう暫く掛かる。君達には悪いと思っているが君達に頼るしかないのだ。最後まで帝都を守ってくれ」
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