第一章 [ 胎 動 ]
十話 勝利をこの手に!
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ま僕も霊刀で斬りかかるが簡単に受け止められ最初と同じ様に振り払われてしまったので、とりあえず二対一の優位性を保つ為に前後で挟む形で対峙する。
これなら奴も迂闊に動けないはず。そう思った瞬間奴が僕の方に飛び込んでくる。
「「なッ!!」」
紅に完全に背中を向け僕に対して拳を振るってきた。2,3撃はかわせたが1発が腹部を強打する。
「ガハッ!」
「てめー!!」
紅髪の無防備な背中に紅の刃が奔る。だが鮮血を散らしながら奴は紅に向け回し蹴りを放ち脇腹を強打せれた紅は吹き飛ばされていった。
「紅!」
「余所見か?余裕だな」
紅に気をとられた瞬間、衝撃が僕を襲った。吹き飛ばされた僕に奴は更に猛追を掛けてくる。痛む体と揺らぐ意識に鞭を打ち体勢を立て直し命を奪いにくる拳の猛威をなんとか防ぐ。
やはり一筋縄じゃいかないか。予定より早すぎるけど仕方がない。
「傲慢!」
奴の猛攻をなんとか躱しながら剣を呼び出す。右手に霊刀、左手に小太刀、そして周囲に様々な刃を展開し紅髪に斬りかかった。
まさに剣の舞とも言うべき刃の乱舞。それを奴は受け止め、弾き、砕き、その身に受けながらもまったく怯みはしなかった。
それもそうだろう。こいつは轟卦剣乱も防いだんだ。この程度じゃ意味がない。
「ははは!どうした!もっとこい!」
奴は喜悦を顔に浮かべそう叫ぶ。間違いなくこいつは戦闘狂だ。妖怪の中でも特に性質の悪い。紅髪と切り結びながら奴の後方を見ると紅が立ち上がり此方に合図を送っていた。
それを確認した僕は一気に奴から距離を取る。そして自分の周囲に剣、槍、バリスタなどを創り出しその照準を“僕自身”に向ける。
「一体何を?」
僕の行動が理解できないのか奴が動きを止めた。その瞬間、紅髪は僕が立っていた筈の刃の檻の中にいた。
「何!!」
驚愕する紅髪に間髪入れずに攻撃を開始する。完全に虚を突いた猛撃に奴が飲み込まれていく。
紅の「位置を入れ替える程度の能力」。半径200メートル以内の止まっている物を入れ替える事が出来る。今回の作戦の要だ。
そしてここからが作戦開始だった。
「よし!攻撃開始だ!」
庵さんの号令で隠れていた隊員達が一斉に紅髪に銃撃を行う。
「紅動けるか?悪いがすぐにポイントに向かってくれ」
庵さんが紅にそう指示を出す。
「…なんか俺情けねーな」
「何言ってるの。今回の作戦は紅がいないと出来なかったんだよ?」
「ありがとな、じゃぁ俺は行くよ。気をつけろよ?」
「わかってる。また後で」
紅は数人の隊員と一緒に次のポイントに向かっていった。視線を戻すと銃撃の中で奴が妖力を高めていた。やっぱりこ
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