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少年は魔人になるようです
第72話 少年達と少女は新たな局面に落ちるようです
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とほぼ同じ速度で距離を詰める。

そして腰溜めにした両手を回転させ、ネギの腹部へ両掌底を叩き込むと同時に狗神で追撃。

これが二つ目の理由、絶対の先手を取る為の構え。相手が強化する前に一撃、吹き飛ばして追撃する事により

自分のみ強化出来る状況を作り出す。


「『狗族獣化』ぁ!!『犬上流 天・元・降・波』ぁぁぁぁぁぁあ!!!」
ドギュゥッゥアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
「ガ、フッ!『穿つ聖天(ラゥゾ・ヴェチェクニクタ)』!!」
ズッキュゥゥン!
「ハッ、しゃらくさいわ!!」


小太郎は飛び上がり、狗神を捻じりもみじの"魔炎(フォイエ・タウバー) 柱"の様にネギへ降らせる。

ネギは何とか体勢を立て直し、光の柱で自分の当たる部分のみを消し飛ばし、それはそのまま小太郎へ向かう。

ほぼ力を失ったそれは当然、小太郎の裏拳で弾かれる。が、その滞空時間でネギは強化を済ませてしまう。


「はぁぁぁぁぁ〜………これは追加ねぇ。」

「ああ、追加じゃのう。スロースターターの分際で余裕かますとは。」

「あ、アハハハハハ……小太郎殿も災難でござるなぁ。」


観客席が邪悪な気で満たされつつある中、近々自身の身にかかる不幸を全く知らない小太郎は、

ネギと武闘祭の時と全く同じ状況で打ち合っていた。いや、そうなるように仕向けた(・・・・)のだ。


「雷矢加速、"天竜伏虎"!!」
ドドッ!
「がふッ……チッ、やっぱそれには反応し切れんわ!」


ネギが魔法の射手(サギタ・マギカ)の雷の矢を踵の後ろから10矢ずつ撃ち込んで、打ち上げと叩き付けの蹴りを放つ。

あちらも、この短時間で更に成長している。

しかし小太郎も狗神で防御出来るまでに反応速度と術効率が上がった。


「うぉぉぉおおおッッッ!『狗音爆砕拳』!」

「それはっ!見切ってるよ!雷矢収束、『雷華崩拳』!!」

「それこそいい加減見切ったでぇ!!」
ドゴォ!!
「なっ…………!」

「そぉいや!!」
ズッ―――ガァン!!

小太郎の正拳を完全に見切ったネギは、雷矢を137本使いクロスカウンター気味の正拳を打つ。

が、それを見切っていた小太郎が右拳を合わせ迎撃し、左手にも纏っていた『狗音爆砕拳』でネギを殴る。

強化術以外防御も出来無かったネギは声すら上げず壁にめり込んだ。


「ハッ!まさかこんなんで終わりとか抜かさんやろなぁ、ネギ!!」

「―――ラステル・マスキル・マギステル!"波源せよ 上弦の月!地上を満たせ 覇軍の弓矢!

皆を穿て 地を裂け 天を埋めろ! 汝こそ夜の光!"『天の始原(アルファット・ルナリア・ファンタズマ)』!
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