第一章 [ 胎 動 ]
四話 その出会いは…
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「う〜!?」
「それじゃ、行きますか」
それからは輝夜の口数は少なくなりいつの間にか寝ていたのだ。
ちなみに警備とは一度も出くわしていない。勘通りに動けば鉢合わせしない自信がある。
輝夜が寝たのに気づいてから僕は永琳の部屋を目指していた。さすがに外に連れ出す訳にはいかないのでとりあえず永琳にお願いしようと思ったのだ。
警備をかわしながらだったため時間を食ってしまった。だってこの状況で警備に見つかると間違いなく僕が拘束される。そんなのは嫌だ。
遠回りはしたけどなんとか目的地まで辿り着いた。ほっと息を吐き扉を開ける。部屋には永琳の他に輝夜と同い年位のよく似た二人の女の子がいた。
「お兄様?と…姫様!」
「ほんとだ、輝夜だ!」
永琳が僕の所に駆け寄ってくる。女の子達も一緒について来た。
「どういう事、お兄様?」
「えーと、実はね……」
永琳にこれまでの経緯を説明する事にした。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
永琳に事情を説明した後、頼まれていた書類も渡し、さぁ帰ろうとしたんだけど輝夜が寝たままだったのである。
それだけならまだしも僕の服を掴んでいたため背中から降ろせなかったのだ。この子結構握力があるんだよ。
しかたが無いのでそのままでいたら今度は寝ぼけて前の方にぶら下がってきたのだ。そして今は僕の膝に座り再度お寝むという訳だ。
「…どうするのこれ?」
ついぼやいてしまった。
「ごめんなさいお兄様。もうすこしだけそうしていて。もうすぐ迎えが来るから」
永琳が申し訳なさそうに言ってくる。僕は手をひらひらさせて気にしてないとジェスチャーする。
さっきまで居た二人の女の子は永琳の教え子なんだとか。そしてなんと庵さんの娘だった。
金髪で黄色の瞳をした姉の『綿月 豊姫(わたつき とよひめ)』と赤い瞳で薄紫の髪をした妹の『綿月 依姫(わたつき よりひめ)』。
二人の事を聞いた時思ったことは、庵さんに似ないで本当によかったねという安堵だった。本人が聞いたら怒るか、笑うかどっちだろう?
なんて事を考えていたら部屋のベルが鳴る。
「迎えが来たようね」
永琳がそう言ってどうぞ。と外の人を促す。
「失礼します。――――なっ!?」
入ってきた女性は眼鏡をかけた茶髪のショートカットで所謂メイド服と言うものを着ている。そして僕の方を見た瞬間顔色を変えた。まぁこの状態を見れば驚くよねと思っていたら事態は僕の予想の斜め上に発展していった。
「あなた!姫様に何をしているの!すぐに離れなさい!」
そう思うのならこの子を引き離してほしいんだけど。
「
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