第一章 [ 胎 動 ]
四話 その出会いは…
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よみの いざなぎ)」だ。伊邪那岐と伊邪那美は夫婦で王宮守護団の総団長の迦具土は二人の息子だ。黄泉家も朔夜家や錦月家と同じように名門である。
「違うわよ!!伊邪那美は『議長』!私のお父様は『盟主』!」
ああ!ようやく思い出した。確かに議会で一番偉いのは議長だけどたしか帝都の建設に携わった古い一族が盟主として参加してるんだったような?
すごく曖昧だけど多分合ってる。
「あぁうん、多分分かった…」
輝夜にそう伝えるとほっとした顔をする。そんなに不安になる事か?
「まぁいいわ、分かったのならさぁひれ伏しなさい!」
「……だからなんで?」
再び輝夜が爆発した。
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「はぁはぁ、もういいわよ…」
どうやら怒鳴り疲れたようだ。だけどこの子隠れてるんじゃなかったか?こんなに騒いだらばれるよ?
「とりあえず、虚空だったわね。わたしに協力しなさい!」
「協力ね、何をすればいいの?」
「この退屈な所から脱出するのよ!自由がわたしを待ってるわ!」
「無理だから大人しく諦めなよ」
輝夜の望みを一刀両断にする。別にイジメたい訳じゃない。冷静に考えて警備をかわして外に行くのは無理だ。
「なによ!やる前から諦めて!それでも男なの!」
そう言って怒りを露にする。この子さっきから怒ってばかりだな。あー、僕のせいか(笑)
「つべこべ言ってないでほら行くわよ!」
輝夜は僕の手を引いて部屋の外に出る。しょうがない、付き合うか。永琳の所に行かなきゃ行けないんだけど…。
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数十分後…。
「Zzzzz…」
僕の背中から輝夜の寝息が聞こえてくる。どうしてこんな状況になったかと言うと、あのあと脱出ゲームをしていたら急に輝夜が、
「疲れたわ、もう歩きたくない〜」
と言い出したのだ。やれやれだ。
「じゃぁ、大人しく帰ろうか、警備も探してるだろうし」
そう聞いてみると、
「絶対に嫌!虚空なんとかしなさいよ!」
これだよ。まったく世話が焼けるお姫様だ。僕は苦笑を浮かべながら輝夜の前に膝を着き背中を向ける。
「???」
輝夜は解らないのか不思議そうにこっちを見ている。
「ほら、おぶってあげるから」
ようやく僕の意図を理解した輝夜がなぜか真っ赤になりながら狼狽し始めた。
「な!?何いってんのよ!そ、そんな事出来るわけ…」
「じゃあ帰ろうか」
「い、嫌!」
「じゃぁ早く、警備に見つかるよ?」
僕がそう言うとおずおずと僕の首に手をまわす。
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