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東方虚空伝
第一章   [ 胎 動 ]
四話 その出会いは…
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まぁ行ってくれて助かった、あいつ等が居ない内に永琳の所にいこうか。




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 研究所の中は意外と入り組んでいる。かくれんぼをするには最適だ。施設内のあちこちに案内板が設置されているのでよほどの事が無い限り迷う事はない。
 永琳の研究室に向かう途中僕は一つの部屋の前で止まる。なんとなくこの部屋に気配を感じたのだ。人の気配というか人が隠れる気配みたいなものだ。
(おもむろ)に扉を開ける。

「!?!?」

 部屋の中には女の子がいた。紅緋色の瞳、腰よりも長い艶のある綺麗な黒髪ストレート。歳は五、六歳くらいかな?桃色のプリーツワンピースを着ていてなんとなく勝気な雰囲気がある。

「あ、あんた誰よ!!」

 女の子はそう叫んだ。そんなに怒鳴らなくてもいいのに。まぁ、ここは紳士的に僕から名乗るか。と思った時、人が走ってくる音が聞こえた。

「あ、まずい!!あんたちょっとこっちに来なさい!」

 そう言って女の子は僕の手を引いて部屋の奥の荷物の陰に隠れる。すると部屋の外から、

「どうだ!いらっしゃったか?」

「いや、だめだ」

「いったい何処に?もう一度探すぞ!」

 そんなやり取りが聞こえてきた。外に気配が無くなると女の子が息を吐く。

「はぁーーー、行ったかーー」

 どうやら彼等が探している姫様っていうのはこの子の事か。

「で?あんた誰なのよ?」

「ああ、ごめんごめん、僕は七枷虚空。ここには用事で来たんだ」

「こくう?どっかで聞いたような…まいっか」

 女の子は一瞬悩むような仕草をしたがすぐに止め、無い胸を張りながら、

「ふふん!わたしはあの『蓬莱山 輝夜(ほうらいさん かぐや)』よ!さぁ、ひれ伏しなさい!」

 と声高々に名乗りを上げた。それに対しての僕の反応は、

「そうなんだ、よろしく輝夜」

 というものだったのだが彼女はそれが気に入らないらしくすごい剣幕で僕に詰め寄ってきた。

「なによその反応は!蓬莱山よ!偉いのよ!分かってるの!」

 なんかめちゃくちゃ怒ってるんだけど。蓬莱山…蓬莱山…うーーん…。とりあえず考えてみる。偉いって事は組織の上の人だろう。正直あんまり興味がないんだよね〜。
 考え込んでいる僕を見て輝夜が少し焦り出した。

「ほら!分かるでしょ、蓬莱山よ!議会の一番偉い人よ!」

 議会?一番偉い?…議会って事は天秤の議会(てんびんのぎかい)だろ、そこで一番偉い人って確か、

「議会の一番偉い人って『黄泉 伊邪那美(よみの いざなみ)』じゃなかったっけ?」

 ちなみに都の盾のトップが元帥である「黄泉 伊邪那岐(
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