第二十六話 青天の霹靂って知ってるか
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ンラーデ侯に頼んで色々と工作したんだが駄目かもしれないな。どうも落ち込みそうだ。
原作だと皇帝はもう死んでいるんだよな、でもこっちじゃまだ生きている。アンネローゼが居ないからな、女色を絶って寿命が延びたのかもしれん。まあその方がこっちも助かる、この状況で皇帝崩御は最悪だ。しかし何時まで持つかな? どうにも不安だ。
それと貴族の動きだな、あの堪え性の無い阿呆共がそろそろ騒ぎ出すんじゃないかと思っている。リヒテンラーデ侯、エーレンベルク、シュタインホフ両元帥、口出しはしないと言ったが何処まで約束を守れるか……。不安要素が多いな、当たり前だけど楽に勝てる戦いは無い。
「閣下、オーディンのシュタインホフ統帥本部総長から通信が入っています」
考え込んでいるとオペレーターが声をかけてきた。シュタインホフ統帥本部総長? 何か起きたな。スクリーンに映すように指示するとシュタインホフ統帥本部総長の顔が映った。
『グリンメルスハウゼン元帥はおらぬのか?』
「今休息を取っておられます、お呼びした方が宜しいですか?」
『いや、それには及ばぬ』
あらあら、そんなに嫌わなくても良いだろう。俺なんか一日に一回はあの老人と話をするのに。
「連絡を頂いたという事は何かが起きたという事でしょうか?」
『うむ、妙な事が起きた』
妙な事?
『反乱軍の総司令官、シトレ元帥が総司令官を解任された』
「……」
艦橋がざわめいた。参謀達が騒いでいる、手を上げて喋るのを止めさせた。
「解任の理由は何でしょう」
俺の問いにシュタインホフ元帥が首を横に振った。
『公式発表ではシトレ元帥には統合作戦本部長の職に戻ってもらい帝国領侵攻作戦を全体から見てもらうという事になっている。一番厄介なイゼルローン回廊から帝国領への侵攻を無事果たしたシトレ元帥の功績は大きいと言っているな』
「……」
嘘だな、難しいのはこれからだ。そういう形で誤魔化す必要が有った、そういうことだ。
『もっともフェザーンでは別な噂も出ている。政府の命令に従わず解任されたと。統合作戦本部長に戻ったのはそれを誤魔化す為だと……』
多分その方が正しいだろう。
「それで後任の総司令官は誰が?」
『ドーソン大将という男だ、あまり聞かぬ名だな』
「……そうですね」
『反乱軍の動きに変化が出ると思うか?』
「多分そう思います」
俺が答えるとシュタインホフが頷いた。
『オーディンも大分騒がしくなってきた、急かすわけではないが余り時間は無いぞ、我らが抑えるにも限度がある』
「分かりました、出来るだけ急ぐようにします」
『うむ、頼んだぞ』
通信が切れた。参謀達が俺を見ているが敢えて無視した。
シトレの後任がビュコックと言うなら公式発表が正しい可能性が有る。或いはシト
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