第二十六話 青天の霹靂って知ってるか
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ルヌ少将」
「はっ」
「今の意見をレポートとしてまとめてくれ。政府に私の名前で提出する。撤退を進言しよう」
「閣下!」
「総参謀長、早い方が傷口は浅くて済む。そうじゃないかな」
「……」
シトレ元帥がオスマン中将を諭すと中将は無言のまま俯いた。どうやらシトレ元帥とキャゼルヌ少将は帝国軍の作戦を逆手に取って遠征の中止を政府に進言するようだ。政府も今度こそは眼を覚ますだろう、二億人の難民救助など誰にとっても悪夢に違いない。
帝国暦 487年 10月 30日 シャンタウ星域 帝国軍総旗艦ブリュンヒルト エーリッヒ・ヴァレンシュタイン
「反乱軍は徐々にですが辺境星域を占領しています」
「作戦は順調に進んでいると見て宜しいのではないでしょうか? このままいけば遠からず反乱軍の補給は破綻するはずです」
アイヘンドルフ大佐、パトリッケン大佐の言葉に他の参謀達が頷いた。皆、満足そうな表情をしている。
多分皆が上機嫌なのは作戦が順調に進んでいると感じている事の他にグリンメルスハウゼンが居ない事も有るだろう。爺さんは部屋で昼寝中なんだが爺さんが艦橋に居ると皆気詰まりらしい。どう扱って良いのか今一つ分からないんだろう。敵襲以外は起こさなくて良いそうだ。これってロボスと一緒なんだけどな、ロボスは無責任って言われたけど爺さんは皆から喜ばれている、爺さんの人徳かな。
「どのくらいで破綻するかな?」
「そうだな、後二カ月といったところか」
「やれやれ、また新年を戦場で迎えるのか」
艦橋に笑い声が上がった。暢気な奴らだ、俺は全然笑えん。年内に帰ると言ったのに帰れない、それどころか戦争自体終わっていないに違いない。アンネローゼは俺の事を嘘吐きだと思うだろう。
同盟軍の動きがやはり鈍い。総司令官がシトレって知った時から嫌な感じがしたんだがそれが当たった。原作だと侵攻一カ月ぐらいで同盟軍は五千万人の民間人を抱え込んでいる。それなのにこっちでは同じ一カ月で二千万人程度の民間人しか抱え込んでいない。辺境の住人達は同盟軍が来るのを首を長くして待っているはずだ。侵攻してきた同盟軍には隠していた食料で食い繋いでいたと説明するだろう、哀れっぽい表情を浮かべて……。
この分で行くと補給が破綻するまで確かに後二カ月ぐらいはかかりそうだ。五千万人を超えればかなり圧迫できるんだけどな。そこまで行くには後一カ月かかるだろう。問題はそこからだな、進むか退くかでかなりの葛藤が出るはずなんだが……。
シトレはかなり警戒しているな、フォークやロボスのような阿呆とは違うというわけだ。ヤンも居るしな、そう簡単には引き摺り込まれないか……。もしかするとこのまま撤退という事も有りえる。出来ればある程度叩きたいんだが……、シュタインホフ、リヒテ
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