銀の銃弾 第一話
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少年が見たのはまさに絶望だった。
視界には、足、足、足、足まさに逃げ惑う『ひと』だった。
少年は足に障害を持っていた。そのために余り走れなかった...しかし少年はその足さえも気にせずに無我夢中に走っていた。
しかし、少年にも限界が近づいていた。
「はぁ、はぁ、はぁ...ここまでかぁ...」
少年は特に死ぬことには恐怖は無かった。...しかしやはりまだ少年は人間。やはり生きたいという気持ちは変わらなかった。
目の前には『奴』がいる。少年はもう生きることを諦めた...『奴』は少年を飲み込もうと大きく口を開けた。
少年は目を瞑り、衝撃に耐えようとした。
「...?」
しかし衝撃はいつまで経っても少年には来なかった。
...その代わりに聞こえてきたのは笑い声だった。
「ははははは!!」
目の前に立っていたのは、後ろ姿を見る限り女性だった。
女性は手に持っていた拳銃を『奴』に向けると、躊躇なく5発耳障りな音の弾丸を発砲した。
しかし『奴』は普通の弾丸では直ぐに再生してしまう。しかしそんな事を気にせず女性は発砲し続けた。
「キシァァァァァ!!」
『奴』は奇声を挙げながら女性に口を開けながら、近付いてきた。
少年は反射的に動いてしまった。
「なっ!!」
女性の声であろう絶叫が聞こえてきた。
しかしそんな事は関係無く、少年は女性を庇った。
(どうせ死ぬならかっこいい死に方がいいな...)
ふと振り返り、女性の顔を見た。
...女性の顔は青白く、今にも消えてしまいそうなほどだった。しかしその目は、とても復讐に満ちていた...そんな目だった。
だが、彼女はとても綺麗だった。
俺はそんな彼女に少しだけ口元を吊り上げ笑って見せた。
瞬間、俺の意識が途絶えた。
‖ ‖ ‖ ‖ ‖ ‖ ‖ ‖
俺が目を覚ましたのは、それから5日後の事だった。
「はぁ、生きて帰ってきちまったか...」
ちょうど今は医者からの診察などを終えて、絶賛入院中である。
俺はため息を吐いた。
(あそこでかっこつけてねば楽だったのになぁ...)
俺はまだ死にはしなく、奇跡の生命力で何とか一命をとりとめた。
あの後は、瀕死状態の俺を誰かが運んできてくれた...らしい...
まぁ、瀕死状態だったので医者も匙を投げたらしい。しかし、その後にとある医者が病室に許可めなく入り、なんと12時間もの大手術を繰り広げたらしい...
...そこまでは納得出来る...しかし、その医者っていうのが俺が助けた女性だった...
彼女の名前は室戸菫という医者で、何
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