一周年記念コラボ
Cross story The end of world...
―Last Battle ―亡国の王女2
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さ、帰んなきゃいけない、大切な場所があるからな」
「……ん?コレか?」
小指を立ててみる。
「……悪いかよ」
「いや、そんじゃあ、俺も頑張んなきゃな」
レイはにや、と笑うと膝を突いて目を閉じる。
集中……さっきまでの限定的なものではなく、もっと深く、奥底から水を汲み上げるイメージ。
深く
―接続―
より深く
―撹拌―
底に到る
―臨海―
殺戮の……
――『螢!!』――
「……ッ、はいはい、分かってるよ」
「……何がだよ?」
「何でもない。独り言さ」
頭が、体が、精神が軋む。心臓は痛い程に胸を打ち、代わりに感覚が鮮明になっていく。
見える、聞こえる、アリスが動こうとする、一挙一動が!!
ドンッ!!―メキッ!!
瞬間的に加速し、心内で謝りながら体に亜音速の蹴りを叩き込む。惜しくもそれは腕で防がれるが、骨を砕いた感触があった。
「ぐぅ……何だ、お前!?」
「化物だよ、今だけな―――ゲツガ!!」
「ああ!!」
再度接近し、脇腹に向けて貫手を放つ。内蔵を抉り取る危険な技だが、アリスはそれを難なくかわす。
今の貫手のスピードは普段の約30倍。
音速を越えると手が裂けるのでその一歩手前だ。それに反応するアリスもまた、人間では無いと改めて思う。
アリスのかわして出来た隙にゲツガが《錬金》で作り出した武器をやたらめったらに投げつけるが、アリスはそれを鼻で笑いながら叩き落とし、かわしきった。―――予定通りに。
ちゃき、と地面から無個性な槍を拾い上げ、鋭く突き出す。
「ハッ……!!」
一突き毎に空気が裂け、アリスのウェーブのかかった髪が舞い上がる。
レイはザクッ、と槍を床に突き刺し、いつの間に拾ったのか今度は無骨な両手剣を振り回す。袈裟斬り、切り上げ、払い切り、突き、返し切り……流れるように体重を移動させながら、戦斧、短槍、片手半剣、薙刀、片手棍、曲刀、十字棍……次々と武器を持ち替え、怒濤の攻めを繰り出す。
「……なるほど、多様な武器を操り、敵にリズムを覚えさせないという事か」
「ご名答!!」
細剣による神速の連続突きを繰り出そうとし、止まる。
―ドクンッ
(……限界、か)
強烈な虚脱感に耐えられず、地面に伏す。ゲツガと上ってきたレンが駆け寄ろうとして、止める。
アリスが掌に禍々しい光球を生み出し、牽制しているのだ。硬直化した戦闘は直後、唐突な終わりを告げた。
「そこまでだ」
カツ、カツ、とゆっくりと歩み寄ってくるのは深紅の鎧騎士、ヒー
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