一周年記念コラボ
Cross story The end of world...
―Last Battle ―亡国の王女
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だが、リンの性格からして無計な事はするはずが無い。
「そうさ。何せこっちは何百年と暇なんでね。三界は今や廃れ、あたしみたいな上位種以外の弱小生物共と『世界』は呪われた。永遠の停滞から抜け出そう何て言う輩もようやく出てきたがまだ青い。……っと、関係ないな、これは。……ともかくだ、何の刺激も無いと気が狂って暴走しかねない。少し、付き合って貰おうか」
「「「「…………!?」」」」
魔女が僅かに宙に浮かぶと手に刀身の幅がやけに広い紺色の両刃直剣を取り出した。それを振りかぶって何もない空を切り裂く―――、
「…………ぇ」
「…………ッ!!」
暗黒色の飛んだ斬撃の狙いはレン。まだ本調子ではレンに向かって駆け、突き飛ばす。
―ギャリンッ!!
「ぐぅ……ッ」
とんでもない衝撃が剣ごと体を後方の壁まで吹き飛ばした。壁に半ば埋まるようにして停止した体はあちこち痛み、HPが一気に8割りを切った。
「レイにーちゃん!」
「……大、丈夫だ。余所見するな、次来るぞ」
そう言った瞬間、紺色の剣から第二の斬波が放たれる。次の狙いは、俺だ。
「レイ!!」
ゲツガか、リンの叫び声が聞こえる。それすらも判別出来ないほど弱った体を無理やり動かし、いつの間にか左手に逆手で持った白い大太刀を振るった。
―ギャリンッ!!
押し返される大太刀に紅蓮の大太刀を重ね、思いっきり斜め上へかち上げる。そして―――、
「茶番は止せ」
左の大太刀で思いっきり床を突き刺した。
―ピシッ……パリン……
床のひびが広がり何もない宙まで達すると、ガラスの割れるような音と共に部屋が砕けた。
「「「…………っ!?」」」
「……へぇ?」
驚くリン、レン、ゲツガと未だ玉座の上に座り、面白いおもちゃを見つけたような表情をする《魔女》。ドードーによる『在る幻』が砕かれ、ようやく本当の意味で魔女と対面したのだ。
『ほぉら言ったでしょ、アリス様。すぐバレちゃうって』
「煩いぞ、馬鹿鳥のくせして。……ああもう、いい。去れ」
魔女が煩わしげに手を振ると、部屋にあった重圧がフッ、と消える。……さっきの瞬殺されたドードーは幻体だったんだな。あまりに弱すぎた。
「―――さて、同じ手は効かないんだったな?小僧」
「……ふん」
意地の悪いにやにや笑いを浮かべながら魔女――アリスはレンの言ったことを繰り返す。
「大丈夫か?レイ」
リンがいつの間にか目の前に来ていて埋まっている壁から抜け出すのを手伝ってくれる。
自分の足で立とうとしてグラッとふらついたところを支えられ、そのまま無言で地面に座らせられた。
「……すまん」
「気にするな。まだ地上に居たとき、何度も助けてくれ
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