明星の英雄
戦略
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俺はまた蚊帳の外かよ!」
ダイラスが悲しげな表情で声を張り上げた。
「ラス、君には重要な任務があるんだ。」
「何だよ、その任務って。」
「簡単さ。もしものことがあった時、皆を誘導するんだ。君ほど声の大きな人材は居ないからね。」
「アルがそういうなら仕方ねえ。分かったよ。」
「頼りになる幼馴染だ。」
アルフレッドはダイラスと別れ、その場を後にした。
「で、何です?話したいこととは。」
「うむ。実はこの本を見てもらいたい。」
「?…こっ、これは!」
「そうじゃ。古い文献のように見えるが、古記の続きじゃ。」
「なぜこのような物を?」
「フォフォフォ、老いぼれの情報収集力をなめるんじゃないわい。」
「で、これがどうしたんです?」
「続きを読んでみるのじゃ。」
「はぁ…。何々?
これは十七年に一度、我が子孫の中に現れる知恵のあるものに授ける。
子孫の中にもしそのようなものが居たときに備えて龍除けの粉塵の作り方をここに記す。
ジャノバさん、これって…。」
「うむ。ほれ、はよう続きを読まんか。」
「はい。ええと、
作り方は火竜リオレウスの骨髄を乾燥させ、粉末にしたもの。アルビノエキス。ディアブロスとケルビの角の粉。
そして、フラヒヤ山脈にしか生えないとされる雪山草が一回の生成につき十五個。龍殺しの実を八個。これらをすべて混ぜ合わせ乾燥させる。
こんなにたくさんの素材…どう考えても用意しきれない!」
「諦めるな、アルフレッドよ。お主ならできる。そう期待をして、ここにつれてきてこの本を読ませた次第なのじゃ。」
「ですが、さっき大衆酒場で『過ぎ去るのを待て』とあれほど仰っていたではありませんか!?」
「こんな老いぼれの言うことを聞く連中とは到底思えん。もしそんなことになったときのための保険じゃよ保険。
頼む!この老人の最後のワガママだと思うて引き受けてくれ!頼む!」
「…分かりました。」
「おお、頼まれてくれるか!」
「しかし、期限がいつまでなのか…。」
「それならその本にも載っておるのではなかろうか?」
「どれどれ…
龍の宴が聞こえし時、それより半刻の後陽龍の咆哮が聞こえるであろう。
咆哮の伝播は十四日にして全ての古龍の耳に響き、古龍は砂漠にて集まるであろう。
全ての古龍が集まり、加護の力を使いしは三日の時が必要となる。
陰龍が目覚め、力を使うには約二日の時が要る。
この自然の摂理に抗う者、先の期限までに粉塵を完成させよ。
素材の多さに加えて、時間も少ないのか…。
でも、やると言った以上最後までやらせてもらいます。」
「頼んだぞ!若き精鋭よ
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