暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第四四幕 「ベター・パートナー」
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せてくれ!頼む!)
小声で囁く一夏に、ようやく一夏の置かれた状況を把握できた佐藤さんは、自分が原作のシャルポジになっていることに若干の不安を覚えながらも適当に合わせる事にした。・・・しかしこの光景、いつぞやのベルーナ着せ替え事件のラストとよく似た構図である。
「あ、あーそういえばそんな話したね?」
「という訳で、な!?ここは大人しく引き下がってくれ!!」
いきなりそんな付け焼刃の子芝居を見せられて納得する彼女たちではない・・・かと思いきや、皆驚くほどあっさり矛を収めた。
「むむむ・・・佐藤さんじゃ仕方ないなぁ」
「何せ佐藤さんだもんねぇ・・・」
「・・・帰って寝る」
「皆の中での私の扱いって何さ!?」
「「「「何って、佐藤さんとしか・・・」」」」
「もはや概念と化してるの!?」
交わした約束を忘れないように目を閉じて確かめてみたが、そもそもワンサマーと約束なんてしていなかったんだ。押し寄せる不安が振り払えない佐藤さんだが、おおむね一夏の思惑通り追跡者たちはタッグを諦めて散り散りになっていった。
一難去って額の汗をぬぐう一夏に佐藤さんは不満げな視線を投げつける。不満の理由はもちろん彼女たちを追い払うためのダシにされたことである。ここぞとばかりに言葉の棘を突き刺す。
「・・・女の子の善意を利用して盾にするなんてサイテー」
「ふぐっ!?」(グサッ)
「ベル君の件と言い、実は私を都合のいい女として利用してるだけなんじゃないの?」
「あがぁ!?」(グササッ)
「織斑君って自己中で考えなしだよねー。私の意見とか一切無視だもんねー」
「おぅふ・・・」(ドブシャッ)
なまじ勝手なことをしたという自覚があった一夏は棘に串刺しにされてうつ伏せに倒れ込んだ。フェイタルケーオー!ウィーン、ミノリィ!パーフェクト!まぁ別に本気で責めているわけではないのだが、正面切って言葉の棘を刺された経験があまりないのかワンサマーは未だに床で殺虫剤を食らった黒光りGのように悶えている。
「それはそれとして・・・織斑君」
「ぅうぁ・・・な、何?」
「非常に言いにくいんだけど・・・これ、見てみ?」
一夏は自身の眼前に差し出された佐藤さんの携帯端末を言われるがまま覗き込んだ。それは1年生のタッグトーナメントのパートナー届を既に提出した生徒の名前が載っていた。結章・鈴音ペア、セシリア・つららペア、シャルロット・簪ペア、箒・ラウラペア・・・と、そこに来て一夏は佐藤さんの言わんとしてることに気付く。
「・・・あ!?お、俺がパートナー頼もうと思ってた人がほぼ全員エントリー済みだって!?」
「そうなのよね・・・私もまさかこんなに短期間に埋まっちゃうとは思わなかったよ」
ガバリと勢いよく起き上がった一夏は
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