暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第四三幕 「相棒探しは計画的に」
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いで手を離す鈴。だが・・・シャルは良く見ると手を掴んだまま。そのことに鈴が気付くか気付かないかのわずかな間にシャルは行動に移った。しまった、と自分の失態に気付いた鈴だが時すでに遅く、簪に伸ばした手はもう彼女に届かない距離となってしまった。
「じゃ、簪ちゃんは貰っていくよ〜!!」
「ええ!?ま、待って・・・まだ二人にデータさえ渡してな・・・」
「ちょっとぉ!?そこはほら大岡越前守の名裁きよろしく私が・・・じゃなくて!」
鈴にとっては痛恨のミス。恐らくシャルは簪の声を聴いた瞬間私が咄嗟に手を離すことを見越して簪の腕をつかんだまま待っていたのだ。つまり、最初から交渉の場に持ち込む気が無かったのだろう。
咄嗟に伸ばした手は簪が同じくこちらに伸ばした手の指先と触れ合い、そして―――届かないまま無情にも扉は閉まってしまった。
「あ・・・ああ・・・!」
確かにシャルは特別付き合いが長い訳でも、親密な訳でもなかった。それでも彼女の普段の態度やジョウと仲がいいところを見て、いい子なのだろうと心根では評価していた。その信頼が、こんな形で裏切られるとは思っていなかった。
悔しい。こんなことになることを見抜けなかった自分が、シャルの心を動かせなかった自分が、簪の手を離してしまった自分が、ただどうしようもなく無力で、悔しかった。
==シャルロット・デュノアand更識簪 (強制的に)タッグ結成==
「という事があったのよ!!」
「じ・・・じゃあ、僕たちは今日の運用実験は簪ちゃん抜きでやるしかないってこと・・・?」
「しかもタッグでシャルと簪が除外されたわ・・・さっき学内情報で確認したけど、2人はもうタッグ申請を済ませてたわ」
「ど・・・どうするの!?だって今回の実験で使うプログラムはその殆どが簪ちゃんの担当だったじゃないか!これじゃ実験そのものが成り立たない・・・」
「・・・ううん、簪と連絡は取れないけど、さっき打鉄弐式からコア・ネットワーク経由でメッセージが送られてきたわ」
そう言いながら鈴はISと接続したデータ操作端末の画面をユウに向ける。そこには短く「うけとって」というひらがな5文字のメッセージだけが書かれていた。そのメッセージと一緒にプログラムファイルが添付されている。
「これは・・・もしかして」
「さっき確認したけど、これには簪の組んだ私たち用の更新プログラムが入ってた・・・あの子を助けられなかった私の・・・ううん、私達のために、最後の力を振り絞って送ってくれたんだと思う」
シャルロットに誘拐された簪が残した最後のメッセージ。このデータがあれば実験自体は出来る。
ただ、そこには最もこの実験に貢献した彼女の姿はない。あの様子から見て、もう彼女は大会が終わるまでは此処に戻ってはこれないだろう
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