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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第四三幕 「相棒探しは計画的に」
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の、今日の用事は急ぐ必要が・・・」
「君だからいいんだ。君にこそ頼みたいんだ。お願いだよ、簪ちゃん!!」
「・・・!り、鈴、助けて・・・!」
「えっと〜・・・Do you 状況?」

何故か壁ドンで追い込まれている簪と、若干危ない笑みを浮かべるシャルの姿だった。
シャルはいつもの柔和な笑みではなくマッドな人っぽい他人を不安にさせる系の笑い方をしており、その瞳にもどこか狂気的な意思が宿っているように見える。

「つまりね、鈴。この出会いは運命なんだよ・・・運命なら、受け入れるしかないよね?という訳で簪ちゃんは貰っていくね?」
「いやいやいや言ってることが支離滅裂よシャル!?」
「じゃあ甲龍にはミサイル積載してあるの?」
「へ?いや後付で付けることはできると思うけど・・・」

突然何故ミサイルの話が出てくるんだと思いつつも返答する鈴。
IS用ミサイルはコストの割に使い勝手が悪く、世界的に見てもマイナーな武装だ。速度を重視すればホーミング性が下がって競技で使いにくく、逆にホーミング性を向上させると弾速が下がる。数を使った火力押し戦法だと拡張領域をやたら食うのでやはり実用的ではない。軍用となると話は少し違ってくるが、それはそもそも運用する状況が競技用と大きく違うからこそなのでやはり競技用ISにミサイルを搭載する酔狂は鈴の知る限り簪くらいしかいない。
その返答にシャルは一人でうんうんとしきりに頷く。

「なるほど、ますます決まりだ!さぁこっちだよ簪ちゃん!僕の秘蔵の武器を見せてあげるよ!」
「えっ!?ちょ、ちょっと・・・!?」

ぐわしっ!と簪の右腕を鷲掴みにしたシャルは問答無用と言わんばかりに簪を連行していく。
鈴は焦った。今日実験する第3世代兵器の発展運用実験にはプログラム系に秀でた簪の協力が不可欠である。そしてパートナー候補がいきなり二人減るというのも鈴にとっては待ったをかけたいところだった。シャルが何故ミサイルがどうとか言いながら簪を連行しているのかは分かりかねたが、とにかく止めねばと思った鈴は簪の左腕を掴んで引き留めた。結果、鈴とシャルが簪を引っ張り合う構図に。互いに自分の目的を為そうと腕をぐいぐいと引っ張る。

「どうしたのよシャル!本人の意思を聞かないなんてアンタらしくもない!一度落ち着いて順序立てて説明を・・・」
「この学園には失望した・・・どいつもこいつも浪漫を解せぬ連中ばかり・・・でも簪ちゃん!キミは違う!キミが、キミだけが!!」
「駄目だこれ会話成立させる気がない!?」
「うう・・・二人、とも・・・痛い・・・!!」

苦悶の表情を浮かべる簪に2人ははっとした表情になる。簪は体が弱い訳ではないが流石に同年代の人間二人に思いっきり腕を引かれれば痛くもなるだろう。

「ご、ごめん!」


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