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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
七十一話:嫌いじゃない
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ものかもしれなくても。
明日には旅立つ相手を前に、焦って行動に出るのも、仕方がない。
周りを見ると、目で何かを訴えかけてくる、おばさま方。
……ダメならダメで、ちゃんと振ってやってくれ、と。
……了解でーす……。
ヘンリーを、横目で確認します。
こちらを気にしてる様子はありますが、おじちゃん達に捕まって、なかなか戻ってこられないようです。
歳を重ねてやや萎んだがまだまだ頑健な師匠と、一回り大きくなったお弟子さんの、薬師の筋肉師弟にガッチリ両脇を固められてます。
おじちゃん達も、共犯の可能性がありますね。
まあ、変に引き摺らせないためには。
やっぱり、ちゃんと振ってあげたほうが、いいんだろうし。
邪魔が入らないうちに、さっさと済ませるか。
ということで、アランさんとふたりで席を立ち、酒場を出て階段を上がり、宿の外に出ます。
外に出て少し歩いたところで、アランさんが口を開きます。
「旅は。やめるわけにはいかないのかい?」
「はい」
そっちか。
うん、この人が、着いてくるという選択肢は無いよね。
死んじゃうもんね。
「お父さんに。パパスさんに、そうしろって言われた?」
「……いいえ」
痛いところを突くなあ。
一番、言われたくないところなのに。
「そうだよね。パパスさんなら、そうだろうと思った」
親馬鹿ぶりを、曝してたフシがあるからなあ。
そりゃあ、わかるか。
前を歩いていたアランさんが立ち止まり、振り返ります。
「ドーラちゃん。旅は、やめて。村に残らないか?」
残って、どうしろと言うのか。
わかるけど、答えるなら、ちゃんと言われてからでないと。
「村に残って。結婚して、家庭を持って。平凡ながらも、幸せに暮らす。そんな選択があっても、いいと思う」
そうだね。
そういう選択をする人がいても、いいと思う。
私が、そうでは無いだけで。
「……村に残って。僕と、一緒にならないか」
アランさんが、私の目を真っ直ぐに見詰めて、真剣な口調で言います。
……勘違いかも、しれなくても。
何の憂いも無く幸せに見えただろう十年前の私の表面しか知らなくて、この十年のことも、前世のことも。
何も、知らなくても。
それでもこの人は、この人なりに、真剣なんだ。
もしも私に、そこまで旅にこだわる理由が無かったら。
そうしたら、違う答えもあったかもしれないけれど。
「ごめんなさい」
真っ直ぐに見詰め返して答えた私を、また真っ直ぐにアランさんも見詰め返します。
「……僕では。ダメ、かい?」
どっちの、意味で?
「……ごめんなさい
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