暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
七十話:飲めない人に飲ませてはいけない
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「では、ドーラちゃんの帰郷と、ヘンリーさんとの出会いを祝して!乾杯!」

 現在、村長的な立場にあるというおじさんが乾杯の音頭を取り、みんなが唱和して、杯に口を付けます。

 ……うん、特に美味しくは無い。
 むしろ、不味いと言ってもいい。

 前世でも、好きというわけでは無かったしなあ。
 ましてまだ若くて、一度も飲んだことの無いこの体では無理も無い。

 が、あからさまに不味そうな顔をするのも何なので、表情を変えずにちびちびと、舐めるように飲んでおきます。

 同じく飲酒の経験は今回はまだ無いはずのヘンリーは、どうなんだろう。
 と思って隣を見ると。

 ……割と、普通。
 景気よく飲み干すようなことも無いが、普通に、それなりに飲めそうな感じで飲んでます。

「……ヘンリー。おいしいの?」
「不味くは無いな。……って、お前!」

 私が声を潜めて問うのにヘンリーも静かに返してましたが、こちらを見た途端、声を荒げます。

「なに?」
「真っ赤じゃねえか!どんだけ飲んで……って、ほとんど飲んでないな。どんだけ弱いんだよ」

 ああ、やはり弱かったか。

「れすよね〜」

 既に、呂律が回らない。

 と、訳もわからず惰性で傾け続けてた杯を、取り上げられます。

「言ってる側から飲むなよ。すみません、水ください」
「あらあら。ドーラちゃんは、飲めなかったのね。悪いことしたわねえ」
「らいじょ〜ぶれす〜」

 自分の耳に入る言葉が、もう大丈夫では無い。

 おばちゃんが急いで持ってきてくれた水を、ヘンリー経由で渡されますが。

「おい、しっかり持て……ないな」

 平衡感覚もおかしくて、すぐに傾けそうになるのを見かねてヘンリーが手を添え、口元まで運んでくれます。
 済まないねえ、酔っ払いの面倒まで見させて。

 とりあえず、水を飲まないといけないのを覚えてるくらいの判断力は残ってるので、ほとんど飲ませてもらう感じで水を飲み。

「ありあと、へんり〜」

 甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるヘンリーに、笑顔でお礼を言います。
 の、のちに首を傾げます。

「あれ〜?へんり〜も、よってる〜?」

 尋常じゃなく、顔が赤い。

「お前……()()悪いな……」

 失礼な!
 酔っ払ってなお、きちんとお礼の言える私に対して!

「みんな〜。へんり〜が、ひろいれす〜」

 いかにヘンリーが私に不当な評価を下しているかについて賛同を得るために、周りのみなさんの顔を見回します。

 あれ、みんなも顔が赤い。

「みんな〜?のみすぎ、れすか〜?」

 私は、弱いから仕方ないけど。
 飲み慣れてるはずのみなさんがその有り様とは、少々ペ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ