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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
崑崙の章
第22話 「みんなぁ、ただいまっ!」
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―― 劉備 side ――




「おじいちゃん、おばあちゃん。それじゃあ気をつけてくださいね」
「はい……いつもありがとうございますじゃ、玄徳様」
「ほんに、お気を使わせて……」
「いえいえ。何かあればいつでも言ってくださいね」

 おじいさんとおばあさん、二人に手を振って歩き出す。
 よかったー……あの二人が元気になって。

 朱里ちゃんからもらった薬が、よく効いたみたい。
 朱里ちゃんにもお礼を言わなきゃね。

「さて、そろそろ城に帰って今日の分の仕事……」

 うーん、と腕を伸ばして城へ戻ろうとした時……

「俺がなにしたああああああああああああああああああああああああああっ!?」
「待たんか、黒い虫ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」

 びゅん、と私の前を通り過ぎる物体。

 なに、あれ……?

 男の人の顔は見えなかったけど、星ちゃんが誰か追ってたみたい。
 っていうか今、愛紗ちゃんがいたような?

「お姉ちゃん!」

 声がする方を振り向くと、そこには鈴々ちゃんが走ってくるところだった。

「ど、どうしたの、鈴々ちゃん!?」
「なにしてるのだ! 一緒に追いかけるのだ!」
「え、なに、どうして?」

 私の手をとって走りだす鈴々ちゃんに、思わず尋ねる。
 鈴々ちゃんは、私の手を握ったまま、振り向かずに叫んだ。

「お兄ちゃんが、帰ってきたのだ!」




  ―― 馬正 side ――




「馬警視!」
「どうした!?」

 何人かの警官が、巡視中の私の元に走ってくる。
 どうやら緊急の事態の様子に、私の周囲に居た警官たちにも緊張が走る。

「そ、それが……」

 だが、駆けつけてきた警官たちは、口ごもりながら互いを見るばかり。
 ……?

 どうしたというのだ?

「はっきり言わんかっ!」
「は、はっ! じ、実は……趙将軍が」
「……む。子龍殿か。今度はいかがした?」

 まさか……またメンマのことで市場の者と揉めたのか?
 それとも、また酒の味で文句をつけたのか?

 正直、劉玄徳様が趙士龍殿を迎え入れて以来、彼女が関わる厄介事が月に一度は起こっている。

 とはいえ、基本的には彼女に非があるわけではない。
 ただ……なんというか、面倒事を起こすことが多いのだ。

 大体は人間関係のトラブルというか、藪をつつくというか……

「じ、実は……どうやら漢中の街中で、槍を振り回して駆け回っているようでして」
「な、なんだと!?」

 あの子龍殿が、槍を振り回して……?

「まさか賊が入り込んだのか!?」
「い、いえ……そ、それが、その。相手は、男の
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