崑崙の章
第22話 「みんなぁ、ただいまっ!」
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漢中の市場でお土産を買った後、愛紗に抱きつかれました……
いや、自慢じゃないですよ?
結局、あの未登録の男は交番へと連れて行き、そこにいた警官に引き渡して事情を説明。
その際に、俺が天の御遣いだと愛紗がばらして……
まあ、そういうこと。
結局、市場の人は半信半疑。
警官は、狐につままれたような顔で俺と愛紗の顔を交互に見る。
だって……
「あ、あの……愛紗さん? そろそろ少し離れてくれると嬉しいかな、と……」
「………………(もじもじ)」
というわけです。
ずっとスーツの一部を掴んでいたり、俺の腕を自分の胸で抱き寄せたり……
ははは……羨ましい?
俺は怖いよ。
目だけは真っ赤のままなんだもん。
……ちょっと泣かれたんだけどね。
「(ぼそぼそ)……またどこかに行かれたら困ります」
「いや、帰ってきたんだから、どこにもいかないって……」
なんか幼児退行なさっているのデショウカ?
「……(ぼそぼそ)」
「……(ぼそぼそ)」
しゅ、周囲の目が痛いわ。
そりゃそうか……音に聞こえた関羽雲長が。
どこからみても今の様子は……年頃の女の子にしか見えません、ハイ。
(そこまで心配させたのか……)
そう思う反面、これからの事を考えると頭が痛い。
冷静な愛紗ですらこれなのだ。
鈴々はともかく、桃香は……多分これ以上。
その上、うちの幼女二人にあったら……
(お、お土産で済むような状況じゃないな、これは)
もう、平身低頭で謝るしか無いよな、たぶん。
「と、ともかくそういうわけで……あとはよろしく。あ、愛紗……そろそろ城へ案内してくれる?」
「………………(コクン)」
なんですか、その頬を赤らめて恥ずかしげに頷く仕草は。
しかも俺の服……というかスーツの端を握りしめて。
もしかして……雛里あたりの真似ですかね?
「で、では、よろしく……」
「……は、はっ! お、お疲れ様で、ございましたぁ!」
呆然としながらも、敬礼のような仕草をする警官。
俺、警官の敬礼なんて、朱里たちに教えてないぞ?
何処で覚えたんだ、この人。
「……ほんとに御遣い様なのか?」
「そうらしいけど……」
「あの関将軍が、あんなになるなんて……」
「も、萌え……」
………………
誰か不穏当な単語言わなかったか?
「兄ちゃ……いえ、御遣い様! また市場に来てくださいよ!」
「そ、そうだよ、御遣い様! 今度はあたしの店を見に来てね、安くしとくよ!」
「は、はは……ど、どうも。い、いずれまた!」
いかん……ギャラリーが集まりすぎる前にさっさと
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