第三十三話『暴走〜互いの思い〜』
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それを抜く。
すると
『スウェン!』
「デュノアか」
シャルルからの通信に、スウェンは答える。
『今先生達が行ったから、スウェン達は直ぐにそこから退避して!』
「いや、あいつは俺が止める」
『え? け、けど……!』
「これ以上の会話は不要だ、切るぞ」
『ちょ、スウェ――』
強引に通信を切ると、スウェンはラウラであろうそれに向き直る。
「無茶だ! ストライクのエネルギーだって少ない、このままでは……シャルルの言う通り教師を待った方がいい!!」
「あいつは俺の部下だ……だから、俺が止めなければならないんだ。俺でなければいけないんだ」
「スウェン……」
流石の一夏でも気づいた、そのスウェンの声には焦りと怒りに近い感情が入り混じっている事に。
「わかった、俺は先生達がこっちに来ないように止めて来る」
「!?」
「なっ! 一夏!?」
突然の一夏の言葉にスウェン、箒は驚いた表情をする。
「本当は俺がぶん殴ってやりたいところだけどスウェンに任せる。頼むぜ」
「解っている……ありがとう、一夏」
「おう、あれ? 今……」
「いいから行け」
「あ、ああ!」
一夏はアリーナの出口に向かって走っていく。一方の箒は黙ってスウェンの事を見る。
「……」
「何か言いたそうだな」
「いや……私も一夏の方に行く。しっかりやれよ」
そう言い残すと箒は一夏の後を追う。残されたスウェンはフラガラッハの切っ先を漆黒のISに向ける。
「行くぞ……ラウラ」
スウェンが漆黒のISへと駆けると、腰のアーマーからアーマーシュナイダーと酷似した武装を取り出し、スウェンと応戦。アーマーシュナイダーから繰り出される攻撃はスウェンを圧倒する。
「くっ! 一撃が重い……」
明らかに先程のラウラの力によるものではない。VTシステムは此処までのものなのか、とスウェンは判断する。一旦距離を取り、フラガラッハを構え直す。
「ラウラ……あの叫びはお前の苦しみから来たものなのか?」
漆黒のISは尚も攻撃の手を緩めない。
「その苦しみを生んだのは俺だ。だからこそ、俺はお前を止めなければならない」
スウェンは攻撃の合間を伺い、一瞬で懐へと飛び込んだ。
「戻って来い、ラウラ! お前は俺が―――」
フラガラッハを上方へと振り、漆黒のISを斬り裂いた。ピタリと動きを止めたそれはガクリと腕が下がり、アーマーシュナイダーを落とす。一閃された場所からはラウラが静かに開放される。
「たい……ちょう……?」
「ラウラ!!」
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