第二十五話 尻を蹴飛ばしてやろう
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る、そう考えています」
俺が説明するとリヒテンラーデ侯はエーレンベルク軍務尚書、シュタインホフ統帥本部総長に説明を求めるかのように視線を向けた。
「総参謀長の作戦案は極めて理に適っていると思います」
「小官も軍務尚書の意見に同意します」
二人の意見を聞いてリヒテンラーデ侯が頷いた。
「暫くの間、軍事行動の拠点をシャンタウ星域に移します。オーディンを長期にわたって留守にする事になりますがその間は辺境星域を哨戒中の艦隊を呼び戻しオーディンに置くべきかと思います」
「なるほど、辺境星域が戦場になる以上、哨戒部隊は邪魔か。であればオーディンの警備にという事だな」
「はい」
俺が軍務尚書に答えると三人が顔を見合わせた。
「良いだろう、そちらから命令を出してくれ」
「はい」
ラインハルトも姉に会えるんだ、喜ぶだろう。問題はシュターデンだな、あいつはフェザーンにでも追い払うか。その方が安全だな。
「こちらからお願いが有ります」
「何かな」
国務尚書が身構えた。露骨に警戒心を出してるよな、俺への信用度はかなり低い、要注意だ。
「反乱軍を帝国領に引き入れる事になります。そうなれば占領される星域もでるでしょう、その事で騒ぎ立てる貴族も出るかと思いますが軍の作戦に関しては小官に一任して頂きたいと思います。指揮系統の混乱は敗北に直結します」
三人が微妙な表情をした。やはり難しいか。
「卿の危惧は尤もとは思うが占領が長期に亘れば貴族達の声を抑え切れなくなるだろうな」
シュタインホフが唸る様な口調で答えた。
「反乱軍の早期撃退を目指し辺境星域で焦土戦術を行う事を考えています」
三人が眼を剥いた。咎める様な視線で俺を見ている。
「実際に食料を奪う事はしません、彼らに隠させます。反乱軍に帝国軍が焦土戦術を行っていると思わせたいのです。それによって彼らの用意した食料を辺境星域の住人に吸収させる。反乱軍の補給計画の早期破綻を図ろうと考えています」
ほうっと息を吐く音が聞こえた。国務尚書だった。他の二人もホッとしたような表情をしている。
「脅かすな、本当に焦土戦術を行うのかと思ったぞ」
エーレンベルクが俺を咎める様な声を出した。悪かったな、脅かして。年寄りの心臓には悪いか、でもラインハルトは本当にやったぞ。
「そういう事ですので国務尚書、辺境星域に対して軍の指示に従うようにと政府から通達を出して頂きたいと思います」
「うむ、分かった」
「それとシュタインホフ元帥、反乱軍の情報を可能な限りこちらに提供して下さい。軍の編成、動員する艦隊、総司令部の陣容……」
「うむ、分かった」
「それと反乱軍の国内の状況もです」
「国内の状況?」
俺の頼みにシュタインホフが訝しげな声を出した。
「反乱軍の補給計画が破
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