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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
六十九話:お酒は大人になってから
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夫を重ねた保存の魔法を定着させて、半永久的に保つものであるそうで。

 『半』永久っていつまでかわからないので、劣化してるようなら書き写して作り直そうかと思ってましたが。
 見た限り、全く変わりありませんね。

 一体、何代の『私』の手を巡ってきて。
 この先、何代の『私』の手を、引き継がれていくんだろう。

 と、少々の感慨に耽りながら、他の人に見咎められでもしないうちにと、さっさと道具袋にしまい込みます。

「さ、用は済んだから。片付けたら宿に戻ろうか」
「ああ。村の人たちが、お前が無事だったお祝いをするから、用が済んだら地下の酒場に来てくれってよ」

 なに?
 それは嬉しいが、なぜ私でなくヘンリーに言うのか。

「先に言ったら気を使わせるから、用が済んでから言ってくれってよ」

 そうですか。
 よく、おわかりで。

「じゃあ、私は荷物を置いてスラリンを連れてくるから。ヘンリー、先に行ってて」
「……いや。俺も、行く」

 どんだけ妬いてるんだ。
 仕方ないから、ちょっとだけ貸してやるか。


 と、いうことで宿の私の部屋に寄り、回収した荷物を置いて、少し休んで元気になったスラリンをヘンリーに抱っこしてもらって。

「スラリン。ヘンリーが、どうしてもって言うから。いいかな?」
「ピキー!」
『だいじょぶ!ヘンリー、なかま!』

 ああ、なんて、良い子。
 ヘンリーはスラリンの無い爪の垢を、無理矢理探し出してでも煎じて飲んだらいい。

「そうだ。お前は着替えて来てくれってよ。娘らしい格好も、見せてくれって」
「ええ?……わかった、じゃあ先に」
「外で待ってる」

 有無を言わせず宣言して、ヘンリーがスラリンを連れて部屋の外に出ます。

 しかし……娘らしい格好か。
 この村の人たちに限って、滅多なことは無いとは思うけど。

 大丈夫かなあ。
 なんか、不安だなあ。


 と思いながらも、積極的に拒否する理由も無いので。
 修道院でもらった物ではなく、店で買った動きやすい女性用の服に着替えて部屋を出ます。

 ヘンリーが私を見て、また目を(みは)り。

「……綺麗ってか……可愛い、な」
「……ありがとう」

 ああ、またそんなに赤くなって。
 嬉しい嬉しくないよりも、もう不安で一杯なんですけど。

「大丈夫だ。俺が、守るから」

 むしろ、あなたのことも不安です。
 危険とか、そういう意味では無いけど。


 などという種々の不安に苛まれつつ、ヘンリーとスラリンと一緒に、宿屋の地下の酒場に向かいます。

 階段を下りて酒場に足を踏み入れると、わっと歓声が上がります。

「ドーラちゃん!思った通り、いや思った以上だ
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