第四十三話 暴走開始 前編
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回の闇の書のことだって――)
そう考えたフェイトに、天啓とも言える閃を得た。
(ただ闇の書だけなら破壊して転生させればそれで済んだはずなのに、どうして完成まで待つ必要があったのだろう?)
遼は管理局には属さない。
だから闇の書を永久封印、もしくは完全破壊するという役目もないはずなのだ。
危険を遠ざけるだけならば、破壊すれば転生機能が働き別の世界へと移る、これでいいはずだ。
(なのに、わざわざ彼女は封印という面倒な手段を取った……、そこまでして守りたい相手がいたということ?)
それはただの仮説で、ほかにも可能性はあった。
けれどフェイトには、これが真実だと思えて仕方がなかった。
そんな時だった。
side ALL
「もうそろそろ、頃合だな」
「ああ、十分にページが集まった、あいつらの目がブリュンヒルデの子にいっているうちに実行するとしよう」
side 遼
「ふふふ、遼ちゃん〜〜」
ベッドに寄りかかり幸せそうに呟くすずか。
彼女は私の最後の心残り。
ブリュンヒルデの転生はとある人の協力を得られれば、解決する目処が立った。
まあ、彼女なら大人(?)だし最悪の可能性くらいは覚悟しているだろう。
けど、すずかは違う。
何も知らない一般人(?)。
ただの小学三年生。
彼女にどうやって私のことを伝えよう。
いっそ、黙ったままで逝くのもいいかもしれないが、それではあまりにも冷たいのではないだろうか?
そんなことを考えていた時だった。
『緊急事態発生! 闇の書の暴走が確認されました、局員は所定の持ち場につき、事態に対処してください、繰り返します、闇の――』
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