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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-40天空の兜
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言葉を待つ。
暫しパノンを厳しい表情で見詰めていた国王が、重々しく口を開く。
「……パノンとやら。よくぞ、わしの心を見抜いた。確かに、わしが、このお触れを出したのは。地獄の帝王の復活などという噂が
蔓延
(
はびこ
)
り、魔物共が力を増し、暗雲立ち込める世の中に、不安を抱える人々の心を、明るくせんがため。お触れを聞いた芸人が集まることで、少しでもこの国が明るくなればと、思うてのことじゃ」
国王は一旦言葉を切り、更に続ける。
「しかし、
其方
(
そなた
)
の言う通り。小手先の笑いなどでは、人々の明るさを、希望を取り戻すことなど、出来よう筈も無かった。
儘
(
まま
)
ならない現実に、わしの苛立ちも、増すばかりであった」
国王が一行に、特にライアンとアリーナ、次いで少女に視線を向ける。
「この者たちならば、世界を救い、人々に希望を取り戻せると。そう、申すのじゃな?」
パノンが、答える。
「はい。仰せの通りです」
「それが、
真
(
まこと
)
であるならば。確かに、天空の兜を与え、旅の助けとするべきであろうな」
国王は間を置き、また口を開く。
「……疑う訳では無い。その者たちの実力は昨日、
確
(
しか
)
とこの目で見届けた。されど、天空の兜は、唯一無二の宝じゃ。身に着けられる者すら見付からぬ、神秘の品じゃ。役立てられぬ者に、間違っても渡す訳には、ゆかぬ。確証が欲しい」
「
真
(
まこと
)
に、仰せの通りです」
「その
方
(
ほう
)
らが、天空の城を目指すと言うのなら。身に着けられぬ兜を、手に入れても仕方あるまい。今ここで試し、身に着けられるならば。天空の兜を、与えることを約束しよう。それで、構わぬか」
「はい。王様の深慮の程に、感服いたすばかりです」
「では、天空の兜を。ここに、持て」
国王の指示に、すぐに衛兵が動き出し、間も無く兜が運び込まれる。
ミネアが、少女を促す。
「さあ、ユウ」
「……やっぱり、私、なの?」
国王が、怪訝な顔をする。
「……疑う訳では、無いが。……その、少女であるのか?他にも戦士殿や、武術家殿が、おられるようだが。あ、いや、その少女の剣技も、十分に素晴らしいものではあったがの」
俯く少女に、慌てて国王が言葉を追加する。
アリーナとライアンが、進み出る。
「百聞は一見に
如
(
し
)
かずと言うからな。俺たちでは無いと、先に確認するのもいいだろう」
「仰せの通りで」
アリーナが天空の兜を手に取り、被る。
途端に兜が重量を増し、アリーナの頭に負荷をかけ、アリーナの頭が僅かに揺らぐ。
「くっ……これは……!……重い、な」
再び兜に手をかけ、脱ごうとすればすぐに重量は失われ、兜のほうから外れようとするように、あっさりとアリーナの頭か
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