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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-40天空の兜
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するのも、タダじゃねえのによ。ご苦労なこったな」
愚痴るマーニャに衛兵が目を留め、話しかけてくる。
「お前たちは、昨日の。お前たちが来たあと、陛下のご機嫌がかなり上向いてな。助かった。今日も頑張ってくれ」
「そりゃ、よかったな。なら、順番の融通を利かせてもらうわけにゃ」
「済まないが、それは無理だ。陛下が公正を望まれるのでな」
「ちっ、わかったよ」
「こんなところで舌打ちとかやめろよ、兄さん」
マーニャが渋々諦め、雑談をしながら待つうちに、行列は進む。
「ほほう、地獄の帝王ですか。私も旅の途中に、噂を聞いたことがあります。やはり、私の見立てに、間違いは無いようですね。任せてください!きっと、お役目を果たしてみせましょう!」
聞き上手でもあるパノンが一行から話を聞き出し、請け合ったところで順番となり、国王の御前に通される。
「おお、お前たちか。さあ、今日こそわしを、笑わせてくれ!」
笑顔こそないものの、昨日よりはかなり和らいだ表情で、スタンシアラ国王が一行を迎える。
「乗り気だな。もういいじゃねえか、笑いとか」
「一度口にしたことをそうそう取り消せぬのが、一国の王というものなのじゃ」
「難儀なこったな」
ひそひそと話す一行から、パノンが進み出る。
「お言葉ですが、王様。残念ながら、私には、王様を笑わせることなど、出来ません」
「なんじゃと?」
普段の愛想の良さはどこへやら、生真面目な態度で申し出たパノンの言葉に、国王の機嫌がみるみる下降し、衛兵がざわつき始める。
「ふむ。正面からゆくか」
「たいした度胸だな」
「笑わせ、ないの」
「大丈夫ですよ、きっと」
成り行きを見守る、一行。
パノンが、言葉を続ける。
「私は、パノンと申す、しがない芸人です。昨晩まで、大きな劇場の、看板を任されておりました。王様がお求めなのが、小手先の笑いであるならば。私ほどの適任は、いないでしょう」
渋面を作っていた国王が、眉をぴくりと動かし、沈黙のうちに続きを促す。
「しかし。王様が求められるのは、そのようなものでは決してありますまい。そして、
真
(
しん
)
に求められるその笑いを、ご提供できるのは私ではありません。こちらの、みなさんです!」
パノンが身を翻し、一行を指し示す。
国王以下、一同の注目を浴びて、少女とクリフトが僅かにたじろぐ。
パノンは、続ける。
「どうか、この者たちに。天空の兜を、お与えください。さすれば、きっと。王様にも、世界中の人々にも。心から笑える日々を、取り戻してくれることでしょう!」
国王は、渋面を崩さない。
パノンは動じず、真面目な態度を崩さない。
一同固唾を飲んで、国王の
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