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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-40天空の兜
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り返り。
ひとりの観客が吹き出したのをきっかけに、爆笑の渦が巻き起こる。
笑いの収まらない客席に笑顔と身振りでアピールし、笑いが少し収まった頃合いを見計らって、観客の誰もが聞き逃さず、空気も途切れない絶妙のタイミングで、次々にギャグを繰り出していくパノン。
時にくだらなく、時に物事の本質を突き、押しては引いて揺さぶりをかける話術は、観客に一瞬の気の緩みも持たせず、意識を引き寄せ続ける。
パノンに与えられた短くない持ち時間は、観客の誰もがあっという間と感じるうちに過ぎ、拍手喝采を浴びて、惜しまれながらパノンは一旦、舞台袖に下がっていった。
家族連れが席を立ち始めたのを受けて一行も席を立ち、劇場を出る。
「座長が引っ張り出すだけのことはあったな。ありゃ、なかなかのもんだ」
「よく、わからないところもあったけど。でも、楽しかった。踊り娘さん、きれいだった」
「技術で言えばマーニャには遠く及ばなかったが、よく訓練されていたな。なかなか、参考になった」
「あれ程に息を合わせるというのは、訓練された軍隊であっても、並大抵のことではありませんからな。流石に、歌と踊りの町というだけのことはあります。パノン殿も、ふざけているようでいて、かなりの思慮深い人物とお見受けした」
「人の機微に通じていなければ、あれほどに空気を読み取って、話をすることはできませんものね。勉強になりましたわ」
「これは本当に、上手くいくかもしれませんね。引き受けてもらうことさえできれば」
「うむ。あの、目的と手段を履き違えたような国王に目を覚まさせるには、良い人選であるかもしれぬの」
「くだらないことを言ってもしっかり笑わせるだなんて、すごいわねえ。あたしも、見習わなくっちゃ。」
口々に感想を言い合い、一行はモンバーバラの町で宿を取る。
翌朝、宿を出た一行は、劇場の控え室に向かう。
「こんなに早い時間にお邪魔して、大丈夫なのでしょうか」
「座長は、間違いなくいる時間だからな。パノンがいるかは知らねえが、あとのこと考えりゃ座長にだけでも、早いうちに話通しといたほうがいいだろ」
クリフトの疑問にマーニャが答え、控え室に入る。
「よ。座長」
「マーニャじゃないか!聞いたよ、城のこと。大きな声では聞けないが、……関係、あるんだね?」
「そういうこったな。仇討ちも、すませた。世話になったな、座長」
「そうかい、そうかい。とうとう、本懐を遂げて……。無事に戻って、本当に良かったよ。ミネアくんも。仇討ちが終わったなら、旅も終わるのかい?うちに、戻って来る気は無いかな?」
「折角だが、まだヤボ用が残っててな。全部済んだら、考えさせてもらうわ。それより、今日はパノンに用なんだが。いるか?」
「パノンなら
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