宇宙戦艦ヤマト異伝
背水の陣
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太陽系内航行速度に減速していれば、どうなったか?
第7惑星の土星《クロノス》衛星タイタン基地、或いは第6惑星の木星《ゼウス》浮遊大陸。
ガミラス軍の前進基地から攻撃を受け、確実に撃破されていた筈だ。
目標が第4惑星の火星《アレス》であったのは、偶然ではない。
嘗て我が母星ガミラス、イスカンダルの祖先が断腸の思いで別離を告げた地。
当時の太陽系では唯一、居住可能な惑星であったからに他ならない。
遥かな過去、現在は砂の惑星と化した赤い惑星に豊富な水と大気が存在していた時代の話だ。
当時の第3惑星イスカンダルは現在と同様、海の惑星であったが氷河期が到来し環境は一変。
もうひとつの居住可能惑星である第5惑星、風王星《アイオロス》は既に崩壊寸前であった。
人類の生存を許さぬ氷地獄《コキュートス》、氷の大地《ブルー・グラード》へ変貌。
本来は第5惑星を意味する水星《アクエリアス》、氷王星《ダライアス》とも呼称される。
現在の第2惑星、金星《アフロディーテ》は内面を見せぬ雲の惑星。
太陽の光と熱を遮る厚い雲が大気圏上層に達し、惑星全体を覆っていた。
快速艇は第5惑星の名残、小惑星帯《アステロイド・ベルト》を回避せず第4惑星へ直行。
岩石塊と宇宙塵の群れ成す航行上の危険地帯を通過の際、重大な損傷を負ったと推定される。
火星に墜落する直前、緊急脱出装置《エマージェンシー・ロケット》が射出されたが。
出発以前に白血病を発症する乗員、サーシャは既に死亡していたと思われる。
地球艦隊が劣勢を顧みず冥王星宙域へ赴き、挑戦する勇気を発揮しなかったとすれば。
イスカンダルから差しのべられた救いの手は、地球人類に届かなかったであろう。
天は、自ら助ける者を助く。
地球艦隊10隻の犠牲は、無駄ではなかったのだ。
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