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皇太子殿下はご機嫌ななめ
第16話 「カストロプ討伐」
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・フォン・カストロプ。宰相閣下のお言葉を伝える」
「ふふん。なんだというのだ。言いたい事があるなら、皇太子にここに来いと伝えろ」
「――お前は犬の餌だ。喰い殺されろ」
「なにっ?」

 メックリンガー准将が通信を切ると同時に、命令を下した。

「強襲上陸艇、突入せよ」

 艦隊から強襲上陸艇が突入していく。
 地上に近づくにつれ、その中からザ○が飛び出していった。
 肩に取り付けられている盾に描かれている三つ首の猟犬。
 ケルベロスというらしい。私は知らなかったのだが。ミヒャエル・ヴルツェル大尉率いるMS二個中隊の紋章だ。
 ヴルツェル大尉あの、アルトゥル・フォン・キルシュバオム少佐とともにイゼルローンで活躍したそうだ。
 昇進して、今は大尉になっている。

「さあ、野郎ども。皆殺しの雄叫びを上げて、戦いの犬は解き放たれた。俺達の出番だ」

 嬉しげなヴルツェル大尉の声が艦橋にも響いた。
 この人も口が悪いなぁ〜。
 どうしてこう、皇太子殿下に関わる人たちって、口が悪いんだろうか?
 不思議でしょうがない。

「略奪。暴行の類は一切許さぬ」
「分かってますって。俺達は猟犬で、ぶたじゃねえっ!!」

 メックリンガー准将の言葉に、ヴルツェル大尉が怒鳴り返した。
 平然と言い返す辺り、良いんだろうかと思うけど、准将は苦笑しているだけで、叱責する様子はなかった。
 地上に降りたザ○たちが戦車を蹴散らしながら、神殿みたいなマクシミリアンの居城を取り囲んだ。片膝をついて、大型ブラスターを構えた体勢で止まった。
 ザ○は基本的に宇宙用なんだけど、陸戦にも、極地用にもなるそうだ。派遣される場所によって装甲他、改造されるらしい。
 おらがザ○は○○一。とか言ってたけど、なんだったのか?
 皇太子殿下は時々、よく分からない事を言い出す。

「マクシミリアン・フォン・カストロプ。周辺はザ○が取り込んでいる。大人しく降伏すればよし。さもなくば、猟犬が吠えるぞ」

 メックリンガー准将が再び、マクシミリアンに降伏勧告をした。
 マクシミリアンの顔が歪む。

「犬の分際で」

 憎々しげに吐き捨てた。

「俺達は獲物を追い込む猟犬だ。雄叫びを聞いてみるかい?」

 ヴルツェル大尉がブラスターを上に構え、撃った。
 ビームが雲をかき消す。
 そして再び照準を、マクシミリアンがいる地点に決める。
 モノアイが赤く光った。

 しばらくして、中から人々がでてきた。
 最初はマクシミリアンだと思ったんだけど、違うみたいだ。
 マクシミリアンの周囲にいた人たちらしい。

「我々は暴虐な支配者から解放された」

 と言ってる。
 それを聞いたときのメックリンガー准将の眉が、ほんの僅か顰
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