第二十四話 そのベッドは俺のだぞ
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帝国暦 487年 8月 20日 オーディン グリンメルスハウゼン元帥府 エーリッヒ・ヴァレンシュタイン
ヤン・ウェンリー少将か……。原作よりは出世していないな。しかし宇宙艦隊司令部の作戦主任参謀? 嫌な所に居るな。上司受けの悪い男が宇宙艦隊の中枢部に居る、分かっていた事だがシトレだけじゃなくビュコックからの評価も高いみたいだ。
同盟軍の新たな陣容がフェザーン経由で分かった。情報が遅いよな、俺が見ている資料は七月二十日発令の人事だぜ。それを一カ月も過ぎてから分かるなんて……。戦争が慢性化しているからな、相手の陣容なんてもうどうでもいいんだろう、とにかく出て行ってぶん殴って帰ってくる、そんな感じだ。
同盟軍がイゼルローン要塞を奪取した方法は原作通りだった。違うのはビュコックが自らの艦隊でそれを実施した事だけだ。あの作戦が成功したんだからな、ビュコックのヤンに対する信頼が厚いのも当然ではある。ビュコックは元帥昇進か、兵卒上がりで元帥、帝国じゃ有り得んな。士官学校卒業の平民だって難しいんだから。
その代り爵位持ちの貴族なら馬鹿でも元帥になれるのが帝国の良い所だ。グリンメルスハウゼンだけじゃない、コルネリアス帝は親しい人間を元帥にしまくった。おかげで二個小隊近い元帥が出来たくらいだ。笑えるよな、何考えてるんだか。飴玉でもくれてやる感覚だったんだろう。
原作だとそろそろ帝国領出兵が有るんだけど、今のところそれが無い。このまま無いのかな? フォークとかロボスとか出世欲に固まった馬鹿共をまとめて捕虜にしてしまったからもしかすると起きないかもしれん。しかし同盟市民は帝国領出兵を望んでいると思うんだが……。
レベロやホアンが反対しているのかな、だとすると帝国領出兵は結構遅くなる可能性が有る。いや規模その物も小さくなるかもしれん。とりあえず様子見で出兵とか……。しかしヤンがそんな事をするかな、意味が無いと言って反対しそうなもんだが。決定権が無いから関係ないか、……さっぱり分からん……。
オーベルシュタイン大佐が仕事をしている。根暗な奴なんだけど仕事は出来るんだな。本当なら敵前逃亡で死罪が相当だったんだが上層部と掛け合ってグリンメルスハウゼン元帥府に配属した。今は事務局長補佐という立場で仕事をしている。
俺に会いに来た時には色々と言いたそうだったが遮った。訳の分からん恨み節を聞かされて同志扱いされるのは御免だ。二つだけ約束させた。一つ、味方を見捨てない、切り捨てない事。二つ、俺に隠れてコソコソ動かない事……。何でこいつを受け入れたのかとも思うが、まあ何処かで役に立つ事も有るだろう。実際事務処理は達者だ。結構助かっている。
グリンメルスハウゼンの相手も時々させているが爺さんの春の陽だまりのような声とオーベルシュタ
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