第五十話 戦場は宇宙へ
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うし、当然次善策はあるのだろう。
「さて、どうするべきかな?」
今回のオーブ戦で受けた被害は意外と大きい。ハイネのデスティニーとアレックのガルバルディαが中破、マーレのゲルググC型、ルドルフのギャンは大破だ。他にも小破や多少の損害を含めるならかなりの数が増えることになる。
「デスティニーの修理はともかく、アレックの機体は――――――」
アレックはガルバルディαを乗機としていたわけだが、クラウが一時的に乗っていたガルバルディβの存在もある。あれの修理も後回しにし続けていたわけだが、同程度の損傷ならば、性能の高いガルバルディβの方が良いのではないか?そう思いつつも修理は面倒だなと考える。
「まあ、βの方で良いだろうけど、問題はこの二機か……」
マーレのゲルググとルドルフのギャン。どちらも修理するには無理がある。だからといって同じ機体を受領するのは不可能なのだ。マーレのゲルググC型はただの量産機ではなく、多くの改良を施した機体だ。同じものを造れと言われても、そうやすやすと造れるものではないし、また造ってもおそらくあまり意味はない。
「マーレの方に機体が追い付けなくなり始めてるからな―――」
マーレのNTとしての覚醒。キラ・ヤマトを相手に対等の戦いが出来た辺り、彼の素質が芽生えている証拠だろう。そんな状況では、以前のゲルググと同じものを用意したところで結果は同じことになってしまう。つまり、今のフリーダム相手に勝つことは出来ない。
一方でルドルフのギャンの方が用意できない理由はもっと単純だ。ギャンは試作機であるため一機しか存在していないのだ。ギャン、ガルバルディα、ガルバルディβの三機はそのスペックの特性を測るために造られた試作機であり、量産の採用は規格の問題や適性パイロットの問題で三機とも一機ずつしか造られていない。別段ザフトでは不思議なことではない。前大戦の核動力機、セカンドシリーズなどの機体はプロトタイプこそいたりするが、ほぼワンオフの機体だ。そう考えればこの三機が一機ずつしかいないのも納得できることだろう。
「そうなると、別の機体を用意することになるわけだけど、彼がそれを認めるかな?」
そう思い、そういった事は本人に尋ねるべきだと聞いてみたのだが―――
「僕に相応しい機体を用意してくれるというなら一向に構わんさ。例え貧弱な機体であろうとも、それに乗り、不利を悟りながらも戦場を駆け抜ける!ああ、美しいではないか!」
聞くだけ無駄だった。撃墜された時に怪我をしたためか、いたるところに包帯が巻かれていたりしたが、正直言って心配して損した。どうやら馬鹿は死なないと治らないらしい。一方でマーレも普通に受け答えしてくれる。
「機体の反応が追い付かなくなってるのは事実だな。それと、最近はこう――
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