第五十一話 上からの返事その四
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「俺が作った魔の属性の蝙蝠だ」
「それだな」
「勿論触れれば同じさ。魔だからな」
「それで溶けるか」
「溶かして消してしまうさ」
そうなるというのだ。その魔の力で。
「あんたも何でもな」
「それが君の魔の力だな」
「そうさ。じゃあ溶けてしまうかい?」
「生憎だがそのつもりはない」
権藤は今も冷静だった。無数の蝙蝠達に囲まれ殺到されても。
それで襲い掛かってきた、だがだった。
権藤は目は死んでいなかった。その目で闇の蝙蝠達を見据えながら。
手にしている剣を縦横無尽に振り回した。するとそこから漆黒の何かが一閃ごとに出て来た。
それは烏だった。烏達は権藤の剣達から放たれて蝙蝠達に向かう。
見ればどの烏達も目はない。形だけが烏の漆黒の鳥達だった。
その鳥達は次々と烏とぶつかり相殺していく。そして。
後に残ったのは舞い飛ぶ羽根、烏の羽根だった。
その羽根を見て権藤は言った。
「こうするまでだ」
「消したな、俺の蝙蝠達を」
「確かに触れれば消える」
そうなることは権藤もわかっている。
「だがな」
「それでもだな」
「触れなければ、逆に消せばいい」
そうすればいいというのだ。
「これでな」
「そうだな。俺の魔の力は確かに凄いさ」
「しかしそれに触れなければいい」
権藤は行うには難しいこのことをあえて簡単に言った。
「それだけだ」
「あくまでだな」
「そうだ、それだけだ」
「やるもんだね。流石に首相を目指すだけはあるな」
「首相はなろうと思えば社会不適格者でもなれる」
権藤は言いながら三人の、とある左翼政党が政権にあった頃に首相だった者達の顔を思い浮かべて述べた。
「しかしそれは地位だけだ」
「首相は地位じゃないっていうんだな」
「能力、そして覚悟だ」
権藤は強い声で言い切った。
「それでなる」
「何度も言うが俺は政治には興味はない」
加藤はこのことは変わらなかった。
「けれどな」
「それでもか」
「あんたが資質を持っているのはわかったさ」
首相の、それがだというのだ。
「覚悟もあるのはな」
「それはわかったな」
「ああ、俺の力を退けられる位のものはあるな」
「それだけではない」
権藤はその加藤にまた告げた、その周りにはまだ黒い羽根達が舞い続けている、そしてその羽根達がだった。
加藤の周りにも来ていた。権藤はそこで言った。
「この羽根達だが」
「ああ、闇だな」
「君の魔は全てを溶かすがだ」
「あんたの闇は飲み込むんだな」
「そして消す」
それが権藤の力だ。
「包み込みだ」
「成程ね。防戦だと思ったがね」
「私は元々攻撃的だ」
そうした戦い方をし性格だと。加藤を見据え表情を変えずに言う。
「だからだ。防
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