第五十一話 上からの返事その三
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「国防は必要だが軍事費は支出でしかない」
「財布の負担なんだな」
「国歌の予算は支出をしてその分の歳入を求める」
つまり投資なのだ。こうした意味で国家財政というものもまた経営資金と全く同じものと考えられるのだ。
権藤は経営者でもあるからこのことがよくわかっている。それで言うのだった。
「セキュリテイを忘れた企業や国歌は滅ぶ、だがそれが支出しかない場合過度に予算を投じ続けるならばだ」
「国が潰れるんだな」
「北朝鮮だ」
具体的な例も挙げられる。
「軍事費ばかりに予算を投じてああなった」
「ああ、あの餓えている国だな」
加藤は北朝鮮をそうした国として認識していた。
「テレビでよく観るな」
「ああした国になってはならない」
それは絶対にだというのだ。
「例え何があってもだ」
「そして戦争もなんだな」
「戦争は見返り以上の浪費になる」
戦争を続けて豊かになった国は歴史上一つもない。どの国、ローマ帝国も漢帝国も戦争に対する出費で財政が破綻し国家が衰えている。
「だから私は戦争も必要とあらば執るが」
「それでもなんだな」
「可能な限り避ける。ましてやだ」
「剣士の戦いもなんだな」
「避けられるだけは避ける」
無駄な戦いと認識しているからこそだった。
「そういうことだ」
「話はわかったさ、俺もな」
「しかしだな」
「売れ入れはしないな」
加藤もまた権藤の考えをそうした。そしてだった。
彼もまた構えを取っている、そのうえでだった。
剣を一閃させた、すると。
魔が出た。それは恐ろしい黒い波となり権藤に左右から襲い掛かった。
だが権藤はそれを見ても冷静だった。そして。
その両手に持っている剣を一閃させた。すると。
彼の周りに闇の瘴気が出た、瘴気は彼の周りをバリアーとなりそしてその魔の波を防いだ、そうしたのだった。
それから彼は静かにこう言ったのだった。
「これは本気か」
「まさかな」
加藤は表情は変えていないが言葉は軽く笑っていた。
「この程度はな」
「そうだな。君の力はこんなものではない」
「あんたもだろ。さっきの闇のバリアーはな」
「何でもない」
大した技ではないというのだ。
「この程度はな」
「そうだな。それじゃあな」
「今度はどう来る」
「手の内を見せることはしない」
言葉は相変わらず軽い。だがその目は笑っていない。
加藤はその目で権藤を見据えて今度はだった。
剣を下から上に振り上げた、すると。
権藤の周りに濃紫の柱が幾つも起こった、だがそれは柱のままではなかった。
柱は次々に割れ無数の蝙蝠となる。その蝙蝠達が権藤に対して殺到する。
その蝙蝠を出したうえで加藤はまた言った。
「これはどうだ」
「蝙蝠だ」
「
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