第四十話 二学期のはじまりその五
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「散歩をするのよ」
「ううん、護身の為なのね」
「琴乃ちゃんも気をつけてね、痴漢には」
「うん、電車の中とか結構いるわよね」
「そう、だからね」
それでだとだ、母は再び娘に話した。
「あえてこうした格好をするのもいいのよ」
「そういうものなの」
「そう、それとね」
「それと?」
「あんたはいいの?晩御飯遅くしてもお腹一杯食べたでしょ」
「うん、そうだれど」
「散歩しなくてもいいの?」
「別に。確かにさっきまでお腹一杯食べてたけれど」
だがそれでもだというのだ。
「部活で一杯動いたからね」
「だからっていうのね」
「多分だけれど暫くしたらお腹空くから」
「そうなの、じゃあね」
「留守番よね、私は」
「ええ、そうしておいてくれる?」
こう娘に対して言う。
「今はね」
「ええ、わかったわ」
「そういうことでね」
こう話す、そしてだった。
母は散歩に出て琴乃は自分の部屋に入ってそこでゲームの後で勉強をして時間を過ごした。そうしてからであった。
夕食になった、琴乃はその水餃子を食べつつ母に言う。まだ父親も弟も家には帰っておらず二人だけの食卓だった。
「お母さんの餃子ってね」
「どうしたの?」
「最近水餃子も多いわよね」
言うのはこのことだった。
「焼き餃子だけじゃなくて」
「まあね、最近はね」
「水餃子好きになったの?」
「昔から好きだったけれど」
「それで最近増えた理由は?」
「スーパーでいい水餃子が売られてるから」
だからだというのだ。
「最近増えてるの。あと電子レンジを使えばいいから」
それでだとだ、母は娘にさらに話す。
「蒸し餃子も増えてるでしょ」
「餃子の時はね」
「最近色々な餃子が美味しく買える様になったから」
「焼き餃子だけじゃないのね」
「どうせなら色々なものを食べたいじゃない」
餃子にしてもそうだからだというのだ。
「それでなのよ」
「そうなのね」
琴乃もその話を聞いて頷く、そしてだった。
スープの中に入れられているその水餃子を食べてだ、今度はこんなことを言った。
「そういえば中国じゃこっちの方が多いのよね
「水餃子の方がっていうのね」
「うん、餃子っていうと」
「北の方だとね」
「ああ、中国って広いから」
「そう、北の方だと水餃子でね」
そしてだとだ、母もその水餃子を食べながら言う。
「南だと蒸し餃子なのよ」
「あっちなのね」
「そう、そうなるの」
北と南では違うというのだ、餃子にしても。
「焼き餃子は実は少ないのよ」
「そうらしいわね」
琴乃もその話は聞いて知っていた。
「東北の方で多少ある位なのよね」
「みたいね。その東北でも水餃子の方が主流だから」
「ううん、水餃子が主流なのね
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