暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
火竜と空と猿と牛
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スの馬鹿力によって引っ張られた5人は、マカオの治療を行っていた。

接収(テイクオーバー)される前に、相当激しく戦ったみたいだね」
「酷い傷だわ」
「マカオ!しっかりしろよ!」
「バルカンは人間を接収(テイクオーバー)する事で生きつなぐ魔物(モンスター)だったのか・・・」
「脇腹の傷が深すぎる・・・持ってきた応急セットじゃどうにもならないわ」

そんな会話をする間にも脇腹からは血が流れ、マカオは苦しそうに息をする。
すると、引っ張られてからずっと黙っていたルーが口を開いた。

「・・・ナツ、どいて」
「何言ってんだよルー!マカオを置いていこうってか!?」
「違うよっ!こーゆーのは僕の専門だからどいてって言ったの!」

その言葉に黙ってナツはそこを退く。
さっきまでナツが座っていた位置にルーは立ち、魔法陣を展開させた。

「風よ、癒しの風を運べ・・・大空治癒(アリエスヒール)!」

ぽわぁ・・・と緑色の光がマカオを包む。
脇腹の傷が見る見るうちに塞がり、数秒経ったときには傷の跡さえ消えていた。

「おぉっ!」
「何、今の・・・」
「僕の魔法、大空(アリエス)は攻撃も出来るけどどちらかといえば治癒や補助が得意なんだ。だからこーゆーのは僕の専門だって言ったんだよ」
「聞いた事もない魔法・・・」
「そりゃそうだよ。この魔法界をいくら探したって、使えるのは僕だけだからね」
「え?」
「はぁはぁ・・・クソッ・・・情けねぇ・・・」

聞き返したルーシィだったが、丁度軽く意識を取り戻したマカオの声によって、それは遮られた。

「19匹は・・・倒し・・・たん・・・だ」
「え?」
「20匹目に・・・接収(テイクオーバー)・・・され・・・」
「解ったからもう喋んなっ!」
「僕の魔法で傷は閉じたけど、無理するとまた傷が開いちゃうから!」

ナツとルーの言葉にも構わず、マカオはしゃべり続ける。

(うそ・・・!?あの猿、1匹じゃなかったの・・・!?そんな仕事を1人で・・・)
「ムカつくぜ・・・ちくしょオ・・・これ・・・じゃ・・・ロメオに・・・会わす・・・顔が・・・ね・・・クソッ」
「黙れっての!殴るぞ!」
「マカオが何体怪物倒そうが関係ない!ロメオはお父さんが帰ってくるのを待ってるんだよ!」
(凄いなぁ、やっぱり・・・敵わないなぁ・・・)

傷の痛みに耐えながら、己の不甲斐なさを嘆くマカオ。
一方ルーシィは改めて、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の凄さを実感したのだった。












夕日が沈みかけているマグノリアの街。
そこにはロメオが本を手に、マカオの帰りを待っていた。
そんなロメオの脳裏に、ある日の少年たちの言葉が浮かんでいた。
「酒臭い
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