火竜と空と猿と牛
[4/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ら。いつもなら『キャバ嬢』呼びなのに『ルーシィ』と普通に名を呼んでいる。
さっきまでとのギャップや、よく見れば整った顔立ちにルーシィの心が高鳴った。
「聞こえなかったか?離れろ、と言ったんだ」
もう1度呟く。
そう呟くルーの手には先ほどまで持っていなかった魔導銃が握られていて、その先はバルカンのちょうど脳天に当てられていた。
離れなければ撃つ、という事だろう。
ルーの持つ魔導銃の名は「タスラム」。敵を撃つと奇声を上げると言われる銃だ。
形は銃というより大砲に似ていて、赤いボーダーのような模様が特徴的である。
「お前、男か?」
「さっきからそうだと言っているはずだが?」
「オデ、男嫌い。お前に用、ない!」
「うおおおっ!やっと追いついたー!」
ルーがカッコよく決めていたところにナツ乱入。
そしてナツの目がルーに向けられ、ナツは少し体を震わせた。
「やっべぇ・・・ルーのもう1つの人格降臨中じゃねぇか・・・」
「もう1つの人格?」
「あい。ルーは二重人格なんだ。普段は呑気でギルドでは『子犬系』って言われてるけど、銃を持つと一気に人格が変わっちゃうんだよ。で、よくこっちの人格のルーに惚れる女の子が多くてルーが迷惑してるから、よっぽどの事が無い限り、ルーは銃を持たないんだ。今ルーが銃を持ってるって事はルーシィを想ってやった事なんだろうね」
「え?」
ハッピーからの言葉に、またルーシィの胸が高鳴る。
「おい、サル!マカオはどこだ!」
「ウホ?」
いつの間にかルーの銃から解放されていたバルカンが首を傾げる。
「言葉解るんだろ?マカオだよ!人間の男だ」
「男?」
「そーだ!どこに隠した!?」
「今言えばそこの穴から落とすだけで許してあげるよ!よかったね、これがティアだったら完全に殺されてたよ」
「うわー!隠したって決めつけてるし!それに今ティアさん関係ないじゃん!」
ルーシィの御尤も過ぎる言葉はさておき。
その言葉にバルカンは意地悪そうな笑みを浮かべた。
「ウホホ」
「おおっ!通じた!」
「わーい!」
くいくいっと手招きするバルカンに、何の疑いも抱かず2人はついて行く。
「どこだ!?」
そしてバルカンが指さした穴から外を見るナツとルー。
だがその時、2人の体をバルカンが強く押した。
「あ?・・・ああああああぁぁぁぁぁっ!」
「嘘つきィィィィィッ!」
ナツの叫びとルーの罵りとも取れる言葉が遠のいていく。
「ナツー!ルー!」
慌てて穴に駆け寄るルーシィ。
「やだっ!ちょっと・・・死んでないわよね!あの2人、ああ見えて凄い魔導士だもんね・・・!きっと大丈・・・」
自分を安心させるようにルーシィが言うが、その下は断崖絶壁
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ