火竜と空と猿と牛
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「ぬおっ」
「え?」
バルカンはルーを片手にナツを飛び越えた。
その先にいたのは。
「人間の女だ。それも2人!」
ホロロギウムの中のルーシィがいた。
「ウホホー!」
そしてホロロギウムに入ったままのルーシィとルーを連れ去る。
「おお、喋れんのか」
「ちょっと待って!僕、男なんだけど!?え?え!?」
慌てた様子もなく、ナツは掌に拳を打ちつけて気合を入れる。
女と勘違いされたルーはとにかく叫ぶ。
「『てか助けなさいよォオオオオ!』・・・と申しております」
ルーシィの叫びをホロロギウムが代弁した。
その後、ルーシィとルーはバルカンの家らしき洞窟にいた。
「『なんでこんな事に・・・なってる訳〜!?』と申されましても・・・」
「ねぇキャバ嬢。僕ってそんなに女の子に見えるの?」
「『空気読め!』と申しております」
「ウッホウホホ、ウホホホ〜」
「なんかあの猿、テンション高いし!」
「ねー、僕ってどこからどう見ても男だよね?」
「『だから空気読め!』と申しております」
ホロロギウムの中で叫ぶルーシィとそんなルーシィに全く空気を読まずに話しかけるルーの周りを、バルカンが嬉しそうに踊り狂っていた。
「ここってあの猿の住処かしら。てか、ナツはどうしちゃったのよ〜・・・」
「女♪」
「!」
ホロロギウムのガラス板を挟んで、バルカンの顔がルーシィの眼前に迫る。
そしてしばらく見つめ合っていると・・・ホロロギウムが煙のように消えた。
「ちょ・・・ちょっとォ!ホロロギウム、消えないでよ!」
「時間です。ごきげんよう」
「延長よ!延長!ねぇっ!」
必死に叫ぶが、ホロロギウムからの返事はない。
目の前には興奮して鼻息を荒くしたバルカン、横にいるのは・・・。
「・・・って、あれ?」
横にいたはずのルーが忽然と消えていた。
そういえばさっきから少し静かだな、とは思っていたのだが・・・。
(まさかアイツ、逃げたの!?)
もうどうすればいいのか解らない。
目の前には人間の女を目の前にし興奮して鼻息の荒いバルカン、先ほどまでいた戦力になるであろうルーもいない、ナツもいない。
もうダメだとルーシィが震えはじめたその時、「カチャッ」と何かをセットするような音が響いた。
「それ以上ルーシィに近づくな。近づけば貴様の命は無いぞ。死にたくなければ離れろ」
地の底から響くような低い声。
バルカンが首を回して後ろを見たため、ルーシィもつられる様に後ろを見る。
そこにいたのは黒い瞳を鈍く光らせた・・・
「・・・ルー?」
そう。ルーレギオス・シュトラスキーだった。
先ほどまでの呑気さはどこへや
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