火竜と空と猿と牛
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くなさそうな格好である。
「そんじゃオラは街に戻りますよ」
「ちょっとォ!帰りはどうすんのよ!キィーッ!」
「あいつ・・・本当にうるさいな」
「あい」
「賑やかでいいんじゃない?」
一刻も早くこの寒さから逃げ出そうと街に戻る馬車にルーシィが叫ぶ。
そんなルーシィを見て、3人は口々にそう言った。
そして叫びたいだけ叫び終えたルーシィも含め、4人でマカオを探す。
「その毛布貸して・・・」
「ぬお」
「僕マント持ってるよ。さっきアルカにボロボロに燃やされちゃったけど貸してあげようか?」
「いらないわよ・・・」
そりゃボロボロになったマントはいらないだろう。
ナツから借りた毛布に身を包み、銀色の鍵を取り出す。
「ひひ・・・ひ・・・開け・・・ととと・・・時計座の扉、ホロロギウム!」
魔法陣から出てきたのは、置時計だった。
顔があり、妙に長い手がある。
「おおっ!」
「時計だぁ!」
「なんかイメージ通り過ぎて言葉が見つからないよ」
ナツとハッピーは感嘆の声を上げ、ルーは若干冷めた事を呟く。
「『あたしここにいる』と申しております」
「何しに来たんだよ」
「良かったねキャバ嬢。ここにティアがいたら完全に殺されてたよ」
「『キャバ嬢じゃないわよ!』と申しております」
どうやら中に入っている間、ホロロギウムが中にいる人の言葉を代弁してくれるようだ。
「『何しに来たと言えば、マカオさんはこんな場所に何の仕事をしに来たのよ!?』と申しております」
「知らねぇでついてきたのか?」
「凶悪モンスター『バルカン』の討伐だよ」
それを聞いたルーシィは驚愕で目を見開き・・・。
「『あたし帰りたい』と申しております」
「はいどうぞと申しております」
「この雪山の猛吹雪の中女の子1人で歩くのは危ないだろうけど、僕は助けないよと申しております」
「あい」
そんなルーシィを気にもかけず、3人はさっさと足を進める。
「マカオー!いるかー!」
「聞こえても聞こえなくても返事して〜!あ、聞こえないのに返事は出来ないか」
「バルカンにやられちまったのかー!」
「ロメオが待ってるよー!」
「マカオー!」
ナツとルー、ハッピーはマカオの名を叫びながら彼を探す。
すると、近くの岩山からガサガサと音がした。
大きめの雪の欠片が落ちてくる。
ばっと大きなゴリラともサルともとれる影が飛んだ。
そのまま攻撃を仕掛けてきた影に対し、ナツはバック転、ルーは高く跳躍して攻撃をかわす。
「バルカンだー!」
そう。このゴリラともサルともとれるコイツこそ、マカオが討伐しようとしていた『バルカン』。
それを見たナツとルーは当然臨戦体制をとる、が。
「ウホッ」
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