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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第32話 聖王器
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「おい、誰だ!誰が話している!?」
「ボス!?」
いきなり周辺を見ながら怒鳴り始める。
「落ち着いてください、一体どうしたのですか!?」
「お前には聞こえないのか?この声が!?」
「声………ですか?」
不思議そうな顔をしながら耳をすませるが何も聞こえてこない。
『どうしてだい?』
『俺は………管理局最強の剣だ。別に……自分からなりたいと……思った訳じゃない。だけどこの世界で働いている内に、俺は…この世界が……好きになった。闇も多く、決して綺麗な事ばかりじゃない………それでも皆必死に生きている。俺はそれを守る』
『敵は多く、安息を得られることはもうないかもしれない。それでも決意が揺らぐことは無いかい?』
『ああ、それでも決めたんだ。家族を守るため戦う彼に負けないために………俺はやる!!』
「やはり聞こえる………誰だ、誰が話している!!」
聞こえてくる会話に戸惑うボス。
その姿に手下達は戸惑う。
「ボス、どうしたんです!?大丈夫ですか!?」
「くそっ、嫌な予感しかしない………おい、運ぶのは作業が終わった物だけでいい。さっさとここから退散するぞ!!」
「ちょっと待てよボス!!女は?女は連れていかねえのかよ!?」
「うるさい、さっさと言うことを聞け!!」
「ふざけるな!!俺達はロストロギアなんて興味ねえんだよ!!臆病風に吹かれてんじゃねえぞ!!」
と、大悟をリンチしていた男の1人がボスの男に向かってそう叫んだ。
「貴様!!!」
「ボス、落ち着いて!!」
ゼルフィスで斬りかかろうとするボスを必死に押さえ込もうとする従っていた手下達。
『ああ………この感覚キルレントに似ている………懐かしい………優しく砕けぬ不屈の心………僕の決断に間違いは無かったみたいだ。神崎大悟、いや、新たなマスターよ、僕の名前を僕の名前は………』
「神崎大悟………?おいお前等!!神崎大悟を今すぐ殺せ!!!」
そう叫んだ時と同時に握っていた筈のゼルフィスが勝手に動き出し、その勢いに驚き思わず手を離してしまった。
「な、何だ!?」
「おい危ねえ!!」
凄い勢いで向かってきた大剣に手下達が一気に大悟から離れる。
「お前が………」
大悟の前で静かに止まったゼルフィスは主の剣と言うばかりに大悟の持ちやすい高さで浮いていた。
「………よしゼルフィス、俺に力を貸してくれ!!」
そう言って剣の柄を握ると大悟の溢れんばかりの魔力が放出されていく。
その姿はまるでゼルフィスが大悟の魔力を食べて強化されていくように見えた。
「俺の魔力量にも耐えられる?ジルディスよりも頑丈だな。……さあゼルフィス、先ずはこの制圧しているテロリストを全員沈黙させる行けるな?」
『はいマスター』
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